第6章 継続は力なり
(やっぱりコイツ…半端じゃない)
岩や金属でも、難なく斬れそうな妙な剣
まるで次の動きを読んでるような…
左利きで有利な雅でさえも、その剣に苦戦した。
斬り合いの中、天人は隙をついて急所を突こうとするが
サッ ガンッ!
雅は空いている右手で腰の小刀を素早く抜き、それを防いだ
(俺の剣を見切っているだと?)
天人の方も同じことを考えていた。
まるで互いに、剣の読み合いをしてるかのような
太刀筋や動きには無駄がなく、緊張で汗もかかない。そこらの雑魚とは違うのは明白だ
今まで戦ってきた剣士の中でも、頭一つ抜けてる
何より女にここまでやられるのも初めてだ
しかし、実際雅の方がおされていた。
傷を負わないよう攻撃を避けてるだけで、全く攻めてない。
お互いに一旦距離を置いた。
「大したものだな。相手の動きが見える俺にここまで手を焼かせるとは、今までもそうそういないぞ」
(随分なめられたものだ。余裕かまして)
確かに実力は向こうの方が上なのは剣を交えて分かる
弱気になってるようでも、冷静に敵の強さを見定めた。
「しかしお前のような女がこの戦場にいようとは。よほどの度胸があるのか、それかそちらの戦力不足か」
(……)
雅は強い眼差しで、相手を見た。
「どっちにせよ、女子供でも剣士相手となれば話は別だ」
アンタの履歴は知らないが、こちとら子供の時からいろんな奴を相手してきた
死んだ魚の目や負けず嫌いと
「貴様らの事情なんぞ知らん。ただ分かるのは、貴様を討ち取ればこっちが圧倒的に有利になることだけだ!」
今度は天人の方から雅に攻め込んできた。
(来るか)
さっきまでは何とかかわしたが、相手は妙な眼を持ってる天人だ。長期戦になれば厄介だ
(多少ケガは…やむを得ない)
向かってきた敵に対し 刀を構えたら、
誰かに後ろから肩をグッと掴まれ、入れ替わるよう後ろにやられた
(!)
私の前に現れたソイツは、駆けつけてきた…
負けず嫌い野郎の晋助だった
いきなり姿を現し、雅との戦闘に乱入してきたのに驚いた天人だが、そのまま高杉に向かっていった。
ガァン!
そのまま剣を交えた。
「晋助…!」