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君想ふ夜桜《銀魂》

第6章 継続は力なり



「うぁぁぁ!!」

「!」

向こうから仲間の叫び声が上がった。強敵と応戦しているんだ。

雅はすかさず駆け出した。


「あれは…!」

そこに、かなりの手練れ天人がたった一人いた。
普通とは違う、少し変わった剣で志士たちを斬っていく。

強さもそこらとはケタ違いだ。

ズサァ!

「ぐァッ!」

志士は肩を深く斬られて、出血する肩を抑えてバタリと倒れた。

天人は剣を振りかざした。

ドォン!!

「………!」

斬った感触もなくそこに死体もなく、剣は地面に突き刺さっただけ。

天人の目線の先には、
斬られそうだった志士と雅がいた。

「貴様は…」

天人はすぐに悟った。
仲間が斬られそうなところを、この女が間一髪助けたのだと。

「ほぉ。あの一瞬で仲間を助けるとはかなりの身のこなしだな。翡翠の巫女と言ったか?」

天人は関心するかのような口振りだ。

銀時の異名である“白夜叉”の名を知らない天人はいなく、女である雅を知ってる天人も少なくはない。

「だが、貴様がこの俺の首を取れると思うか?」

「じゃあ、今試してみる?」

雅は刀を構えた。

(…雅姐さん…)

周りの味方は、雅に心配の眼差しや援護しようにも力の差で足手まといになると悟っていた。

ここにいる者たちは、今さっきまでこの天人のとてつもない力の差を見せつけられて、腰を抜かしていた。

雅は恐らく、この中で一番強い。
しかし、その天人に勝てるかどうかは分からない。


(恐らくコイツは傭兵か何かだろう)

この圧力感。普通じゃない
今まで、何人斬ってきた?

相手は余裕のよっちゃんで、攻めようともしてこない

「貴様はこの俺をかなり警戒してるな」
「!」
「今まで何人もの剣士を手に掛けてきた俺には、お前たちの動きなど全て分かる」

(余計なことは考えるな…)

相手のペースに飲まれるな。倒すことだけ考えろ。今まで通り剣を振るえ


「相手に不足なし」

お互い剣を向け、そして一気に距離を縮めて斬り込んだ。

ガァン!

雅は天人の刃をうまくかわし、隙や油断を作るよう警戒しながら戦った。

電光石火のような戦闘に、加勢に行くにも入れない

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