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君想ふ夜桜《銀魂》

第5章 人は皆 十人十色



((もっと肩の力を抜けばいいんですがね…))

いろいろ背中を押してみるも、なかなか進展もなかった。

そしてようやく、雅は
・・・・・・
自分の意志で、高杉に勝った。


「よく勝てましたね雅」

でも、雅は嬉しそうではなかった。

(……)

銀時はニタっと笑い、道場に響くくらいデカい声で言った。

「松陽、今日は勘弁してやれよ。高杉試合の時すげー楽しそうな顔してたしよ。
女子と“付き合え”(突き合え)たんだからさー」

かぁぁぁッ
ワハハハハッ!

その途端、高杉が頬を赤らめるのと皆が笑い声を上げたのはほぼ同時だった。

「ち、違ェよ!俺はただコイツと試合がしたかっただけで…!」

「なるほど。そうすることで徐々に距離を縮めるという戦法か。高杉にしては上出来だな」

天然桂は顎に手を添え、感心するような振る舞いをした。

「戦法って何の戦法だ!お前らおちょくるのもいい加減にしろ!」

そう怒鳴っても、高杉の赤面は収まらない。

「そうカッカするな。確かにてめェには女と付き合うなんざ一番似合わねェし、女心の欠片もねェけどな。
それにあそこもチビでプルトップだし、この先もぜってーどうt…」

ゴンッ!!

ピー音が発動する直前に、松陽はげんこつで止めた。

「体育から保健の授業をするつもりはありませんよ。君たち未熟者には100年早い話です」

銀時のたんこぶからプスプスと煙が上がった…


「さぁ皆さん。次は真面目に授業を受けましょう。今回だけは特別ですよ」

ハーイと皆は返事をして、ぼちぼち教室に戻り始めた。

「雅と晋助は使った物をちゃんと片付けて下さいね。ペナルティということで」

松陽は気絶した銀時をズルズル引きずって、皆と教室に戻った

(先生…)

俺はすぐ勘付いた
先生は、俺が雅にいろいろ言いたいのも、こうなった成り行きも全て分かっているんだ

(試合の後でも、お互い言いたいことはあるでしょう。人はぶつかり合い分かち合うものですから)

松陽は高杉に雅をゆだねるかのよう、あえて自分たちは退出した。


「早く片づけよう」

雅はせっせと竹刀など道具の片付けに取り掛かった。

こうした成り行きで、俺は雅と道場でまた2人だけになった。

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