第19章 友が為
それから、できる限り取り除ける部位は切除し、今後の戦いに支障をきたさない程度に身体を開いた。
蠱毒が患部から入り込めば、内臓にまで転移して、最悪の場合、心臓にまで広がれば、さらに深刻になる。
全身の血流のポンプの役割をしている心臓が感染すれば、蠱毒がその血流に乗り、あっという間に全身に広がって、死に至るからだ。
しかし、不幸中の幸い、心臓に感染は見られず、一命を取り留めることができた。
((私が作った麻酔の中でも、かなり強力なレベルを使った。蠱毒の侵食を抑えられたとしても、
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限界がある…))
毒を抑えるほどの強力な薬であればあるほど、その後から来る副作用や体への負担は大きくなっていく。
以前、雅は
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山奥で奈落の襲撃にあった際、
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使ったことがあるため、
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その副作用の強さは身体に染み付いていた。
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ゴホッゴホッ
『!!』
咳と同時に吐血した。
『おまッ!血が…!』
『触…るな』
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((あの時使えたのは、私の
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人ならざる体質があってこそだ。普通の人間には、使えない…))
雅は自室の棚の隅に置いてある、"ある小瓶"を手に取る。
掌の大きさにも満たないその小さな容器の中には、美しい翡翠色の液体が入っていた。
まるで雅の瞳と同じ色を帯びていた。
それはかつての師匠が自分に託してくれた大切な物であり、形見でもあった。
または、"薬"でもあり、"ある種の毒"でもあった。
それも、地球の地中深くに流れているエネルギー源である"龍脈"を用いて、華岡愁青が生み出した万能薬。
通称 "龍毒"。
その作り方を応用して、普通の人間にも使えるように改良されたのが、雅がよく使用する麻酔薬。
不老不死に似通った無痛の効果を与える仙薬のような存在であり、どんな手術でも、患者の痛みを一時的に消し散らすことができる魔法のような薬。
その名も、"通仙散"。
雅はその製造方法を唯一継承した、華岡愁青のたった1人の弟子だった。