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君想ふ夜桜《銀魂》

第19章 友が為



「私なんかの女のために、原作であるまじき女々しさを発揮して、その度に銀や辰馬に冷やかされて。鬼兵隊総督の矜持やら威厳なんてお構いなしのように、女ゴリラ夢主は書きやがる。一番不憫なのはアンタだ」

「雅……」

(えぇ。ワシの不憫さは高杉以下か?)

辰馬は確かな不満がありつつも、心の内に留めておいた。


雅は俯く。

「正直私は、出番がどうとか、10年ずっとズルズル中途半端にやってきたとか、駄作とか名作とか他人の評価とか。そんなことはどうでも良いんだ。そもそも私は、夢主の気まぐれで生まれた存在に過ぎないからな」

夢主がこうして書いているこの文章でさえ、単なる気まぐれ。

現実世界で色んなことを経験して、体や心が壊れてしまいそうになるくらい辛い思いもして、だから憩いが欲しくて久しぶりに書いているに過ぎない。

また更新が停滞したり、もしくは潔く終わらせてしまう日が来るかもしれない。

でも……

雅は自身の左掌を見て、今までの想いを一言にする。

「でも私は、この作品で、アンタ達と共に戦ってきたことを誇りに思っている。それだけ分かっていれば十分だ」

『!』


夢主にも今まで、並々ならぬ事情があって、進んだかと思いきや何度も止まってきた。

受験勉強や編入試験に就活面接や転職活動。

今はいわゆるOLとして、ただの一般人として、東京のどこかで自分なりに頑張って生きている。

結局は誰もが、一人一人、悩み迷って、何度も立ち止まっては、各々の道を歩いていく。

結局は誰もが、己の戦場で志という剣を振るって戦っているんだ。

夢主はそんな中で、大人としての責務を果たそうと奔走して、いつの間にか、自分を見失っていたんだ。

それでも、ここにまた帰ってきた。

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