第5章 人は皆 十人十色
不思議と晋助と考えてることが一緒の時がある
(人のキャラ設定を愚痴ってくるのは、主人公としてどうなんだ?)
ガタンッ!!
桂はいきなり音を立て、声を出した。
「いい加減にせんか!さっきからうるさいぞ!たかが人気投票がなんだ!高杉、貴様は俺より出番少ないのに何故俺より
・・ ・・
上位だ?同じ攘夷なのに何故だ?!」
『……』
うまく言ったつもりなのか?
急に会話に入ってきたと思いきや、まさかそれ言うため?
確かに桂が高杉に人気投票で勝ったことは一度もないが
「ヅラ。お前の口がいい加減にしろよ」
天然なのは相変わらずだ
ゴタゴタした話は終わり、私たちは朝食を再開した
「雅。そこのお醤油とってくれのうか?」
辰馬にお醤油を渡して、それを冷や奴にかけた
辰馬に続いて銀時も使った
「銀。それかけ過ぎ…」
銀時の冷や奴には醤油が浸かるくらい入っていた
「俺ァこれぐれーがいいんだよ」
「いつも甘いもの食べてるアンタが濃い味付けなんて体に良くない。いつか糖尿病になる」
「へいへい。次からは気をつけますよ」
能天気な返事をして、醤油に浸った豆腐を食べた。
「そーいうてめーも味付け薄すぎるだろ。味の素小さじ分ちょっとかけただけじゃねーか」
雅は医者としての自覚があるのか、日々の自分の健康面は特に気を遣っていた。
「醤油よりこっちの方が好きだから。豆腐の素朴な味が際立つ」
(そんなこだわりがあったのか?)
薄味派なのは知ってたが…
高杉は妙に雅のこだわりが気になった。
「おめーももう少し食った方がいいだろ。女の子は大体、年がら年中ダイエットしてる~なんて言ってるけど、ストイックのなのは逆効果だぜ」
(誰から聞いたんだその情報…)
周り志士や他のみんなは2人の会話を微笑ましく思った。
「私がそん中に数えられてるなんて心外だ。それに、昨晩は差し入れを貰ったから、不思議とお腹いっぱいなんだ」
(!)
高杉は持っていた箸がピタッと止まった。
「ほぉー。甘いものか何かか?」
「ああ。あまり気分が優れなかった時にひょっこり来て。おかげで今日は快眠」
それだけを言って、食べ終わった朝食の皿を運んで、先に広間を退出した。
高杉は密かに軽い笑みをこぼした。