第14章 少女よ、大志を抱け
(雅が喋っている所を、今日は見てないな…)
集団の隅っこで皆に付いてきている雅を、桂は心配そうに眺めた。
雅は誰かに話しかけられない限り、下手したら喋らない日が続く。
悪い奴ではないのだが。愛想もそうだが積極性にも欠けている。
(何か話すか…)
桂は雅を含めた皆に声をかけた。
「もうすぐでお昼時だか、皆何が食べたい?」
銀時と高杉に続いて、他の隊士達が次々に声を上げた。
「マック」
「ロッテリア」
「バーガーキング」
「モスバーガー」
「フレッシュネスバーガー」
「全てハンバーガーではないか!」
予想外で桂は思わず声を上げた。
「武士たるものなら、もう少し質素なものの方が…」
「えー、いいじゃないですか桂さん。何が食べたいか聞いたのは桂さんじゃないですか?古典的ですよ」
「うむ…」
桂は雅に意見を求めた。
「……いいんじゃね」
こうしてお昼は皆でマックのハンバーガーを食した。
店内で食べるとかなりスペースを取ってしまうので、デリバリーで外で食べることにした。
(やれやれ。まあ俺達の年頃なら、学校帰り店に立ち寄ってハンバーガーくらいは食べるが)
16~17歳は男子高校生だ。
(む、なかなかおいしいな…)
「!」
雅は銅像のそばで独りで食べていた。
食べているときも、あまり可愛げのない、怖い顔をしていた。
(少し話しかけてみるか…)
「相変わらず、輪の中に入るのは苦手らしいな。雅」
桂は笑顔で話しかけてみたが、雅は無表情無言で小さくうなずいた。
「……何か用か?」
「用がなければ話しかけてはダメなのか?」
「…アンタの自由だ。私が決める事じゃない」
雅のハンバーガーからタレが、危うく包装紙を超して落ちそうになったが、彼女は指ですくって紙ナプキンで拭いた。
「……雅。お前、
・・・・・・・・・
まだ迷っているのか?」