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君想ふ夜桜《銀魂》

第4章 疲れたときほど甘いものはウマい



「は?何の話だ?」

いきなり感謝してると言われても…覚えがねェよ

「アンタと銀は、私が戦に出ることを反対しなかったから」

ああ、そのことか…


それは、戦が始まる前のこと

先生が連れ去られ数年後、攘夷戦争に出ることを決めた俺たちだったが、雅も参加を嘆願した

しかし、桂含めた何人かはそれに反対した




回想
〈拠点〉

「私も、戦に出る」

「敵は女でも容赦しない。雅。お前には危険だ」

雅と桂含めた志士たちは未だに揉めていた。

ここからは男の戦いだ。遊びに行くわけじゃない

そんなことを何度も聞かされていた。

「……」

“男とは違って女は足手まとい”
世間でもそういう風潮はあるが…彼女は引き下がるわけにはいかなかった…


その時俺と銀時は、確かその様子を少し離れた場所で見ていたんだっけな


「銀、アンタの意見を聞きたい」

雅は銀時に意見を求めた。

「いーんじゃね?」

銀時はあっさりと認めた。

「銀時!」

「ヅラ、ソイツが我強ェのは知ってるだろ?いくら言ったって、ソイツは1人でも戦に出るつもりだぜ」

銀時はちゃらんぽらんなとこはあるが、他人を見る目はたける。死んだ魚の目ではあるが…

※原作で辰馬が右腕ケガした時も

主人公らしからぬセリフを原作で言い続けてきた男ではあるが、やはり腐っていても主人公だ。

雅は今度は高杉の方を見た。

「俺は…」

俺は雅の顔を見た途端、反対するということが頭から抜け出た

その顔は無表情ではあったが、いつもとァ違って見えた

言い表しにくいがまるで、焦っているような…

それから、ようやく声を出した。

「…反対する気はねェよ。コイツの気持ちァ俺たちと一緒だ。てめーも分からねーわけじゃあるめェよ」

「それは…」

「それにコイツはそんな死ぬタマじゃねーのは俺たちが一番知ってる」

二人の意見を聞いたあとの桂は苦い顔をして、最後に彼女に確認した。

「雅。引き下がるなら今だが」

「…後悔なんてしないよ」

“私は…ただ…”


彼女の参戦が正式に決まり、戦前の会議はひとまず終わった。

解散になりそれぞれ持ち場に戻る中、雅は高杉を呼び止め、ただ一言だけを伝えた。

「その…ありがとう」

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