第13章 青い髪、赤い血
そしてまた別の場所へ足を運び、途中で雅はお面屋さんの目の前に立ち止まった。
「へいらっしゃい!お嬢ちゃんはどんな面が好きかな?」
「そーだなー。お、お前あんなの好きじゃなかったか?」
銀時はプ○キュアのお面を指さしたが、雅は首を振った。
「銀時。プ○キュアというのは小学校低学年が嗜むものだ。高学年ならあれがいいだろう」
桂はたまごっ○のラブ○っちのお面を指したが、雅は首を振った。
「あれください」
雅が指名したのは、真ん中あたりに飾ってあった、ガオレンジャーのガオシルバーのお面だった。
「雅それでいいのか?お前の人生それでいいのか?愛嬌がないお前には、お面で可愛らしさを補強した方がいいんじゃねーか?」
「てめーはコイツの何知ってんだ?」
高杉が優しくツッコんだ。
「“銀”魂だから…“シルバー”選ぶのは…当然」
「そういうことかよ!いつも愛想ねェのに変な所で空気読んでんのか」
「本当は…狼鬼がよかったけど…」
「お前普段難しい本ばっか読んでるイメージだけど意外とそういうの好きだったのね!確かに狼鬼カッコイいよね。敵から味方になるのって胸アツ展開だよねー」
銀時もお年頃なだけあってレンジャーものは好きだった。
(何盛り上がってんだよ…)
高杉は銀時と雅が話しているところを、何食わぬ顔でじっと見ていた。
今まで感じたことのない感情が、胸の底からあふれ出た。
雅はおじさんにお金を払って、お面を早速つけた。
「フフフ。顔が見えなくなると、男の子みたいになってしまいますね」
年齢がまだ10か12くらいだと、男女の体格差はまだ顕わにはなっていない上、男でも長髪の人もいる。
元々おなごじみた性格ってわけでもないが。
夜が本格的になっていき、屋台の匂いや周りの声も大きくなっていった。
松陽たちは型抜きをやり、そこでさらに雅の器用さが発揮された。
細かいところまでつまようじで丁寧に裁き、手つきがとても慣れているようにも見えた。
その集中力もハンパない。
(すげェなコイツ…)
高杉はよそ見をしてた結果、自分の型を壊した。
パキリッ
「あ」