第13章 青い髪、赤い血
「まあまあ、せっかくの祭りですからマイペースにいきましょう」
「お前はいつもマイペースだけどな松陽」
銀時は残りの綿菓子を食べて、残った割り箸をゴミに捨てた。
「では次に行ってみましょう」
空はすっかり暗くなり、飾りのちょうちんの灯りが付いた。
桂のリクエストで皆でそばを立ち食いしてから、今度は射的場へ出向いた。
ここで松陽はルールを作った。
弾は1人5発で。順位で勝敗を決める。
そこで特殊ルールを追加した。
「1位の人には500円、2位には400円、3位には300円、4位には200円あげます。多く撃ち落とせた人ほど、有利になるってことですね」
「いいですね」
高杉と銀時は目をバチバチさせていた。
「屋台のおっさんに頼んで、景品の台下げてもらおーか?お前にはちと不利そうだからハンデだ」
「親切気取ってんじゃねーぜ。本当の親切ってのァ球一発あげるような奴のことだぜ」
スッ
隣の雅が自分の球を握った手をよこした。
「欲しいの?」
「ちッげェよ。お前はいいんだよ。それにお前とはフェアで戦うことは決まってんだ」
高杉は銀時には然り、雅にも負けられない。
試合もこっちが負けていることもあり、せめて祭りの遊びでも勝ちたいと強く思っていた。
それぞれ球を入れる準備は終わり、後ろで見守ってる松陽の合図で始まった。
銀時は、アホロを狙ったが外した。
高杉は、フリッツを狙ったが外した。
桂は、んまい棒を狙ったが外した。
雅はコアラのコーチを狙ったら当たった。
3人以外にも屋台のおじさんなど皆が一斉に「おおー」と歓喜の声を上げる。
「おじょーちゃんすごいね。一発で当てちまうなんて」
先取点を取っても、雅は笑わず取った景品をじっくり眺めたままだった。
(…つまんねーのか?)
皆は2発目に突入した。
銀時と桂はようやく景品を当てることができたが、高杉はまた外してしまった。
(クソッ…!)
高杉はなかなか上手く出来ず、悔しがりながら3発目をこめて構えた。
「……晋助」
「!」
雅が呼んで高杉が持っている銃に触れた。
「構え方、少し変えた方がいい…」