第13章 青い髪、赤い血
松下村塾の女子たちで、高杉に好意を寄せる奴らはぼちぼちいても、高杉は全く興味はわかない。
しかし雅は剣の腕がたち申し分ない強さであるから、対戦相手という点では興味がある。
自分には銀時よりも強くなりたいという願望があるから、彼女の特殊な腕は自分の腕を上げるのにいい糧になる。
・・・
そう思っていた。最初は。
けど段々、違う風に興味を持ってしまった。
彼女の腕ではなく、
・・・・
彼女自身について知りたいと、自然に思うようになってしまった。
最近では、何を話しかけようかと模索するようにもなってしまった。
そんな自分に、高杉はむしゃくしゃした。
(女の手ェ握っただけでこんな緊張してるとこ見られたら、アイツらに何て言われるのやら…)
『プススー。手を繋ぐことも恥ずかしがるなんて、どこの夢小説の主人公ですかー?』
『女の子をエスコートも出来んとは、それでは立派な紳士になれんぞジョジョ』
『誰がいつ紳士になりてーって言った?!俺がなりたいのは侍だ!ていうかジョジョって誰だ?!』
高杉はこんな妄想を膨らませていた。
(アイツらがここにいなくて良かったぜ…)
グッ
「?」
高杉がやけに手を強く握るから、雅は不思議に思った。
(そういや、先生とコイツと3人になるのは珍しいな)
左側にいる松陽と雅の横顔をさりげなく見た。
「?」
すると高杉は何か妙な違和感を覚えた。
(コイツ、何か先生と…)
「松陽先生ー!こっちですー!」
桂が綿菓子やの前で大きく手を振っているのが見えた。
松陽は屋台のおじさんにお金を払い、銀時は念願の綿菓子を手に入れた。
「いただきまーす」
白い雲のようなふかふかの綿菓子にかぶりついた。
「ッんめー」
すごく幸せそうな顔で堪能している。高杉と喧嘩している時とは全然違う。
(女子みたいだな…)
実際、女子である雅は銀時とは逆の真顔で思った。
銀時は他にも、お化けが怖いとか、か弱いヒロインあるある設定もある。
お菓子が好きでおかしな奴だな。