第13章 青い髪、赤い血
今日は、銀時と高杉の居残りの日である。
あまりにも喧嘩と悪さばかりで、見かねた松陽は習字を2人に課した。
桂と雅には、2人の監視と任せて、ついでに習字の宿題を出した。
((4人仲良くなってほしいですね…))
しかし仲良くなるどころか、てんでバラバラ。
銀時と高杉は喧嘩ばかりの悪童。
いつもは外で泥だらけになるのだが、今回は墨だらけだ。
桂はその2人を仲裁する苦労人。
雅はあまり興味を示さない傍観者。
晋助と試合することがたまにあるが、相変わらず協調性のない子供だ。
いつも部屋の角に居座るその不気味さのせいか、最近、外で黒魔術をやってるなどの噂もある。
「では銀時と晋助は、部屋の墨落としの掃除をしてください。私もやりますから。すいませんが、小太郎と雅も手伝ってください」
雅は本を閉じて、すぐに仕事に取りかかった。
やはり、人付き合いが苦手なだけで、頼まれたことはすぐにやる、根は本当にいい子なのだ。
そして桂は雅とは逆。普段周りに気を配る。だけど雅と違う意味でいい子だ。
皆で部屋の掃除に取りかかった。
「はぁ~、松陽。俺疲れちったよ。隣にバカがいると精神が削がれるっつーか、甘いものとか補給用品が欲しいぜ」
「甘いものですか。では外のオシロイバナの蜜はどうでしょうか?なかなかおいしいですよ」
「まさかの自然由来成分?しかも今夏だからオシロイバナねーよ」
銀時は団子やケーキのような物を期待していたが。
勉強熱心な息子に、「お疲れさま。これよかったらどうぞ」と、お母さんがケーキを持ってくるような、そんなシチュエーションを頭の中で描いていた。
「ないですか~。ではそうですね…」
松陽は口許に指を添えて考えた。そして閃いた。
「じゃあこうしましょう。今夜向こうの街で、小規模ですがお祭りがあるんですよ。食べ物だけでなく遊びなど色んな屋台もあるでしょう。夕方までお習字を頑張ることができたら、皆で行くということでどうでしょう?」
キラーン
皆(雅を除く)が目を光らせた。