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君想ふ夜桜《銀魂》

第11章 二度あることは三度ある。いや四度あるかもしれんから気ィ付けろ



(おかしい……アイツいつも「ごめん待たせた」ってぬかしやがるが、そんな奴じゃねェ)

“私は人を待つのも待たせるのも苦手だ。私はヅラほど真面目ではないが。手術もスピード勝負だからね”

念のため、この後戦う体力も温存して、山を駆け抜けた。

(何があった……!)









山にて、

「ハァ…ハァ……」

雅は血が流れ出る腹部を抑えて、木の陰で身を潜めていた。

すでに10人ほど敵を仕留めたが、まだ序の口。

他の奴らも、自分のように四方八方影で身を潜めている。

血のにおいに刀と刀が混じり合う金属音。

自然に暮らす野山の動物たちもその異変に気づいたのか、さっきまであった小鳥のさえずりもなくなっていた。

今あるのは、烏のうめき声だけだ。

(やっぱりおかしい。天導衆があんな数でこんな山で待ち伏せなんて)

天人のようなボンクラ集団とは違って、幼い頃から暗殺術を叩き込まれた精鋭。

私の医術はこの場において猛威は振るえない。

今の状況、こっちが圧倒的に不利だ。

(だが、やるしかない…)

雅は、
・・・
何故か血がすでに止まった腹部から手を離す。

・・
コレを見られたのなら、もう倒すしかない……


敵は呼吸を整える余裕も与えてくれない。

木の上から葉っぱではなく刺客がまた落ちてきた。

敵が複数くれば、刀一本だけじゃ足りない。足や周りのものを利用しなきゃ、手が回らない。

私はウエストポーチから改良された麻酔薬入り簡易注射器を取り出して、袖の中に隠した。

敵の斬撃をうまくさばいて、僅かな隙に相手の首元に注射針をさす。

敵がふらついたところを一気に斬りかかった。


(木の上から来られると、こっちが不利になる。だったら…!)

手持ちの小刀を木に刺して、それを踏み台にして上へ登った。

案の定、敵の何人かがそこにいた。

自分が女であるおかげで、比較的身軽で相手より速く動けた。

ダンッ! ガシ!

「ッ…!」

敵の1人が私をがっしり掴み抑えて、そのまま落下した。

私を下にして地面に叩き殺すために。

(そんな簡単に、医者がやられてたまるか)

落ちる途中、木に刺してあった小刀を足にかけて、体勢を反転させた。

地面につくギリギリのところで敵を下にして、さらに脊椎を狙って首から地面に叩きつけて即死させた。

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