第3章 賞味期限切れにはご注意
「仮にそうだとしても、馴れ馴れしいのが嫌いなどこかのバカと似てるのは確かだな」
桂は子供らしい無邪気な笑顔を見せて、教室に戻った。
「……ハァ」
アイツと似てる?冗談じゃねー
ムカムカするな。好きでもねェ奴と一緒にされると
アイツのことなんざどうでもいい。ただ
(何の事情があるかは知らねェが、理由も言わずてめーの都合だけ押しつけるのは気に食わねェ)
高杉はイライラ気分のまま、教室に戻った。
〈教室〉
授業中…
周りがワイワイする中、桂と高杉と雅は静かに書物を読んでた。
数分後、ようやく先生が銀時を連れて来て、皆にこう告げた。
「皆さん聞いてください。銀時君がパンツを
なくしました。理由は聞かずに予備のパンツか褌がある人は貸してください」
「嫌です」
桂は断った。
「嫌だね」
高杉も拒否った。
「そうですか…」
松陽が残念そうに呟く。
「銀時」
先生は銀時に書物を渡した。
「これでもう一回ケツ拭いて授業を受けなさい」
銀時のパンツ公開処刑があった…
その頃の雅は、相手を名前で呼ぶようになった。
少しは相手との距離を近付けたということか。
しかし高杉だけは未だに名字で呼ばれ、呼ばれる本人も別に何とも思ってない、はずだった…
〈寝床〉
就寝前…
高杉たちが寝る準備をしてた時、近くにいた銀時が何の前触れもなく話しかけてきた。
「高杉、アイツに名前で呼ばれなくてヘコんでんのか?」
「は?んな訳ないだろ?誰がへこむか」
今度は桂は高杉の肩に手を置いた。
「知ってるさ。高杉は女の子にシャイなだけで本当は素直な子だと…」
「どこのおかんだお前は?!」
馬鹿共が次々に冷やかしを入れてきた。
「お前最近イライラしてるじゃねーか?」
「は?イライラしてねェよ」
むしろ現在進行形で、てめェらにイライラしてんだよ
「あんな前でパンツ無くしたことバラされたお前がイライラしてんだろ?」
高杉は布団を準備しながら言ってやった。
「いや、普通に履き心地はよかったぜ」
(履いたのか?!拭いたんじゃなくて折り紙みたいに折って履いたのか?)
銀時はよからぬことを企むかのようニタリと笑った。
「お前、本当は名前で呼ばれるのが恥ずかしいんじゃねーのか?」
(!)
は?別に恥ずかしくねェよ