第6章 継続は力なり
酒の勢いで悪ノリで言ったかもしれない
だが晋助とは一応腐れ縁だ。悪い所も案外良い所も一応知ってる
少なくとも
理由もなしに嫌がらせする奴じゃないのは分かる
銀は例外だが…
「私は人の主観的見解はあまり信じない主義だ。特にあのバカのありがた迷惑さは織り込み済みだから何とも思ってない」
それを聞いて高杉も、「相変わらずおかたい奴だねェ」と周りに振り回されない彼女の身持に関心した。
明るい話ではなく気になることを聞いた。
「俺よりも、お前さっき咳き込んでたが、偶発的なものか?それともあのバカにお節介でもされたか?」
「………そうじゃない」
変な間を開けてからの返答で、何かぎこちなさを感じた。
「よりによって、そのバカに言われたのが信じがたいよ…」
「…何言ってんだお前…?」
雅は下に俯いた。
・・
アレをまた聞くとはな…
「おーう。楽しんでるかァ?」
『!』
銀時が手を振って、様子を見に来た。
「アンタが来るとは意外だね」
「いままで宴に無縁だった奴に言われたかねーよ」
よっこらせッとあっさり隣に来て、雅を高杉と銀時が挟むような感じになった。
「おい。何いきなりナチュラルに座ってんだ?隣来んなら一言言えや」
確かに一言声を掛けるのは人としてのマナーというか。
一応、比較的常識人である高杉は銀時の行動に注意した。
「てめーの隣じゃねェからいいだろ。むしろ願い下げだが。
俺は珍しいスペシャルゲストに挨拶しに来ただけだ。てめーの指図を受ける義理はねェ」
雅を挟んで不穏な空気が流れ込み、周りもそれを感じ取った。
「私は別に構わない。むしろ銀には今回の件で借りがある」
この場での争い事は避けたいと、雅もあっさりOKした。
それに銀時はドヤ顔で高杉を見て、そのウザい顔に高杉は舌打ちした。
銀時は雅の酌を貰い、美味しそうに飲んだ。
「今回はお手柄だったな。だが、あんま無茶すんなよ。てめーは昔からそういう奴だが、休暇はしっかり取れ」
「いつも頭ん中バカンスのアンタが言うと説得力がない」
自然に会話してるのを見て、高杉はまたさっきの不信感を抱いた。
雅のことを知り尽くしてるような銀時の口振りにも。
(まさか、本当に知ってんのか?)