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君想ふ夜桜《銀魂》

第6章 継続は力なり



敵に“死神”なんて怖がられてるが、そう呼ばれちょるのは、コイツは2つの才幹を持ってすごいなんて解釈もできる

(わしからみれば、リュー○とかそんな物騒なもんより、皆を癒やす可愛い天使の方が似合う気ィするけどな)

あ、でもリンゴあげるだけであんなテンション上がる姿見れんじゃったら、リュー○も悪くないの

心中でそう思ったが、今は真剣な話をしてるので一旦止めた。

そして、また酒をグビッと飲み話を続けた。

「あ~要するに、自覚せずともおまんは
 ・・
傷以外の大事なモンも、今まで治してきたっちゅーことじゃ。雅も前言ったがな。
“自分の出来ることは、傷を治すだけじゃない”とな」


雅は杯の酒に写る自分の顔を眺めた。

手を動かすと、それと鼓動して表面が波打つ。

(あれは、そういう意味で言ったつもりじゃなかった…)

いつものように表情を全く変えず、お酒を飲んだ。


賞賛の声をあげても、彼女は笑いもしない。

誰かに褒められても、それに一言二言言うだけで済ます彼女は、まるで“嬉しい”という感情が他の人よりも欠落してるようだ。

松下村塾で松陽先生に称揚されることもあったが、それも全く喜ばなかった。

松陽先生も、雅を含め そんな子供らしくない“子供”(ガキ)共に手を焼かされたんだろうな。

坂本も、彼女のそんな所を理解している。

たとえそうでも、称するのを止めなかった。

「おまんは自分が思ってる以上に、周りを支えちょる。
1人助ければ、またさらに周りも救える。こんなことできるのはおまんしかおらんぜよ」


さすが煽てるのも一流なポジティブシンキンガーだ

自分のことをそんな大層に言ってくれるコイツに、何を言えばいいのかと、雅は少し迷った。

(ただ自分の役目を果たすことしか頭になかった。そんなこと、今まで考えたことが……)


“!”

雅は急に、酒を口に運ぶ手をピタリと止めた。
 
“?”

坂本の言葉に、何故か妙な違和感を覚えた。

すると脳裏にふと、
・・・・
ある言葉がよぎる。



“いつかお前にも分かるんじゃないか?”



「!!」

ゲホッ…ゴホッ!

急に口を手で押さえかがみ込んで苦しそうに咳をした。

「だ、大丈夫がか?!」

坂本は心配して背中をさすった。

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