第6章 継続は力なり
「まさか本当に連れてくるとはな。高杉、お前一体どんな手使ったんだ?」
今まで誘っても断ってきた雅が、交遊を好まないあの雅が
坂本も予想外で、いつものようにゲラゲラ笑った。
「そりゃあれじゃないかァ金時?以前、遊郭で娘っ子に「つまんねェ」と言われたが、
外見では金時より選ばれたのもあるし、昔とは違っておなご口説くのはお手のも…」
ドガッ!
銀時と高杉は一斉に辰馬に殴りかかった。
『いつも断られるバカに言われたかねェんだよ』
同時にハモり、2人共忌まわしき過去を思い出されたことに腹が立った。
そしてそのごたごたをいつも止めるのは、リーダーシップのある桂の役目。
「やめんか。せっかく雅が来たというのに、いきなり揉め事はないだろう」
そして案の定、雅もその様子をフリーズして見てた。
坂本は殴られながらも聞いてきた。
「しッ、しっかし本当にどうして今回は来てくれたんじゃ?」
(ボコられながら尋ねてきても…)
殴られても笑っていられるおおらかな性格が、余計可哀想に見えてくる
雅はそっぽ向いた。
「別に“コイツ”(高杉)だからって訳じゃない。自分の運勢で決まったというか、久し振りにお酒をたしなみたいから」
事実、雅は仕事の都合上 飲酒は自分から控えている。
“もしもの時”を想定し、いつでも早急に対応できるよう自分の体調を保たなければならないのだ。
そしてさっき本人も言ったように、今日の仕事は終わった。
「そうか。なら今夜は十分体を休め一杯やろうではないか」
と言いながら桂は、脳内ではサラッと雅の隣に座るというシミレーションを描いていた。
普段賑わってる祝宴でも女気がない中だと、女の酌を欲しがるのはみんな同じだ。
「ほんじゃ雅!わしに一杯付き合え!」
めっちゃ社交的な坂本は我先にと雅の隣に来た。
「おい。連れてきたのは俺だぞ」
遮るようにいきなり現れ、高杉は不機嫌になった。
そして本人も狙ってた模様…
「いいじゃないか。おまんは十分向こうで2人きりでだべったんじゃろ?それに、わしも
・・・・・・・・・・・
聞きたいことがあるぜよ」
ニヤリと笑い、呼びにいく前の高杉と同じ口実を口にした。