第6章 継続は力なり
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〈寺 広間〉
その夜、作戦が成功したことで皆は祝いの酒を飲んでいた。
中には腹芸で盛り上がってるグループも。
明日は出陣はなく、気を抜いてるのだろうか。
「今日はやりましたね桂さん!」
志士たちが大将の元で、酒を注いだり酌み交わしたりなどで集まっていた。
「いや、俺たちだけじゃない。皆1人1人の働きがあるからこそ勝ち戦は収められるのだ」
酒を口に運びながら、リーダーっぽいことを言った。
「あの兵力差を諸共としない戦いっぷり!さすが白夜叉です!」
「いやいや、今回は足止めの高杉さん率いる鬼兵隊がいたからこそだろ!」
銀時「ま、ケガ人とかいたが結果オーライだな 」
黒子野「攘夷四天王の皆さんがいると心強いです。次も今回みたいな結果を出せるといいですね…」
辰馬「あのぅ、わしだけ仲間外れなんじゃけど…」
誰もが喜び、上機嫌ムードになっていた。
そんな中、ろくに酒を口に運ばず浮かない顔をしてる男がいた。
黒子野「高杉さんも、あの相手は苦戦しましたよね」
「……」
黒子野にも反応せず、ずっと俯いている。
桂「おい高杉……高杉…!」
「!」
桂の呼び掛けでようやく我に返った。
桂「さっきからどうした?まだ足が痛むのか」
「……違ェ」
受け答えも満足に出来てない。
そのしんみりとした雰囲気を和らげようと、辰馬は陽気に話をした。
辰馬「そのしょぼくれた感じ。おなごに振られたあとみたいぜよ。何かあったか?」
「てめェは少し黙ってろ」
何の励ましにもならずむしろ水を差す辰馬に対し、声のトーンを変えて殺気を放った。
桂「本当にどうした?喜ばしいというのに、酒がまずくなるではないか」
銀時「おなごといったら、雅がいねェから寂しんじゃねーの?」
カチン
(てめェも黙ってろ)
高杉はずっとあることを気にかけていた。
辰馬「ま、そういうな金時。誰だって女の酌1杯くらいほしいもんじゃ」
すると銀時はさり気なく口にした。
「そういや高杉お前ェ。あんなくたばってたのによくあの敵の数切り抜けられたな。
あん時合流した所の屍の数、普通じゃなかったぜ」
「!」
その時高杉は思い出した。
・・・
俺はあの時、途中から来た。
違ェ。あれは恐らく、全部 雅が…