第6章 継続は力なり
雅の周りは、敵を寄せ付けないようボディーガードのように固まってる。
確かに残党らしき敵の陰がいくつかあるが、そんなに大したことのない雑魚ばかり。
そんな中、桂の手を借りて着々と手術をこなした。
(傷がかなり深い…)
血管を傷つけないよう、慎重且つ丁寧に…
(これで…最後だ)
コトリッ
体内から最後の弾を取り出し、糸と針で傷口を縫って塞いだ。
わずか15分で、全ての銃弾を除去して手術も無事成功した。
「…ありがとうヅラ。終わった」
桂も少し気が抜け、雅は手術用ゴム手袋を取った。
「雅さん…」
患者の友人が、心配そうな顔でまた来た。
「成功した。まだ安心は出来ないけど、峠を越したから命にもう別状はない」
その言葉を聞いた途端、友人の目から涙が溢れ出た。
「あ…りがとう……ありがとうございます…!」
感謝しきれない気持ちで、深くお辞儀をした。
その嬉しい気持ちをちゃんと受け取りたいところだが、今は…
「ヅラ。この後は?」
「今日はもう撤収だ。今回の作戦も無事に終わったからな」
「良かった。早急にこの患者を運びたい。本拠地にある薬を使う必要がある」
「ああ、それはそうだ。では俺の軍の者たちに…」
患者はそのまま担架に運ばれた。
今日の仕事は、何とか無事に終わった…
達成感と、それ以上に疲労感がジワジワ襲ってきた
(やはり簡単な手術でも、激戦の後だと少し堪えるな…)
「よくやったのぉ!雅!!」
(!)
後ろからいきなり辰馬が肩を組んできた
いつもの元気ハツラツテンションで
「さすがじゃ!おまんのおかげで
・・
2人も救われたんじゃ!お手柄ぜよッ!!」
(重い…)
頼むから今はアンタのテンションについてく気力が…
「おいやめろ。嫌がってるだろ」
高杉が不機嫌な顔をして来た。
「なんじゃ高杉、嫉妬か?おまんも意外と執念深い男なん…」
ゴォォ…
今にも刀を抜きそうな殺気を放った。
「分かった分かった。雅もすまんかったのぉ」
命の危険を感じた辰馬は雅をパッと放した。
「雅も疲れてんだ。てめェには配慮ってもんが…」
「私のことは…。?」
雅は不意打ちのよう高杉の左頬に手を添えた。
「!」