第2章 何事もタイミングが肝心
「何でてめーも出番来るんだ?!どんなタイミングだ!作者は何考えてんだ?」
銀時のツッコミを諸ともせず、辰馬は説明した。
「いや~作者さんに言われたんじゃ。ヅラも出るんじゃったら、キセキの世代が1人のムードメーカーのワシも顔出しとけと…」
「何がムードメーカーだ?!テメーの場合、
・・・・・
ムードブレーカーの間違いだろっ?!キセキの世代って何だ?!」
段々とツッコむのもしんどくなってきた。
「頼むから本当空気読めよ」
「空気読むのはアンタらだ」
5人は一斉に振り向いたら、それは用を済ませた雅だった。
「ギャーギャーギャーギャーやかましいんだよ。発情期ですか?このヤロー」
「この小説の主人公がさり気に事実上の"主人公"(俺)の名言勝手にパクんな」
平然と言う雅に銀時はまたツッコんだ。
しかし、彼女にも騒がれたくない理由がちゃんとあった。
「けが人が寝てるから、そんなに騒がないで」
「いや~すまんの~」
途中参加者したはずの辰馬が仲良さげに謝った。
「雅さん。用事終わったんですか?」
「大したことじゃなかった」
雅は黒子野に無表情で返答した。
「何じゃ用って?
まさか、ラブコメみとう屋上とかで告られたんじゃないんか?」
途端、雅は急にピタッと固まり、俯いて黙りになった。
みんなは“え?”と声を出した。
「ま、まじかよ…」
実はこれが初めてじゃなかった…
この場の唯一の女である雅のことを気にする男は少なくない。
容姿も整って155cmと小柄なので、本人が嫌がってるのに対し
“可愛くてかっこよくて惚れる”とみんなに茶化されるのも事実。
そして、クールな上に傷の看病をしてくれるという女子力?にも惹かれるらしい…
手紙や生告白やささやかな贈り物なども…
「そりゃあ青春じゃの~。それで何と…」
「断った」
辰馬が言い切る前に雅は怖い顔をしてズバッと言った。
いつも無の怖い顔はしてるが…
「「仕事に支障が出る」って言った」
彼女は今までそう言って断ってきた。
時には
“この戦が終わったら一緒にどこか行こう”
とか訳の分からない言われたことも…
その後、重傷を負って 手術を施しても救えなかった人たちの中にその人は…