第6章 継続は力なり
その横顔は、相も変わらずポーカーフェイスだが、
その言葉は、本人に似つかわしくなく唐突だった。
(雅…)
高杉と銀時の知ってる雅は…
周りと深い関わりを持たず、自ら距離も置いている
“一匹狼”
冷静沈着に大人びた性格、普段笑顔もなかなか見せない彼女に相応しいたとえだ
“冷静”の“冷”のイメージカラーの“青”は、雅の着てる陣羽織の色でもあり、そんな彼女によく似合う
高杉も、集団行動を好まない一面もあるが、雅の場合
・・
全面的にそういう人格を持ってる
しかし、2人は結果的に…
((コイツ今、俺を“頼れる男”だと言ったのか?))
こう解釈した
共に、全く同じことが脳内にあった。
~銀時's脳内~
(えッ、何?コイツ、そんな素直な暖かい性格…だったっけ?
「普段はこんなんだけど、本当はあなたと一緒にいたい」的な恋愛もんか今?
十中八九、凍りつくような冷たい性格なのに?
十中八九というか、十中十なんだけども)
可愛い子犬でも、威嚇で睨んできて怖いときもあるよ。そう言うギャップ萌えがあるって言うけどさ…
コイツに至っては日常茶飯事、メデューサみたいに 石になりそうなくらい睨んでくるのに?!
↑十中八九、銀時がお節介をしてくる時…
雅の泣き顔も想像できなかったし、今の状況もいまいち掴めず、銀時は口角を歪ませ呆然とした。
~高杉's脳内~
(元々負ける気さらさらなさそうな奴が、俺たちといて負ける気がしないだと?
逆に、1人でいる時は負ける気がすることがあんのか?)
思いがけない告白に高杉も、雅の顔を直視できず茫然とした。
↑紛らわしい文章です
((だが…))
放心状態から、2人は不意にフッと笑った。
((敵と対峙するより、女1人の一言で肝を冷やすとはな…))
そんな些細なことでビビった自分に、2人は不思議と笑ってしまった。
ようやく3人は周りの天人に目を向けた。
高杉も足の痛みや疲れも吹っ切れてた。
掛け合う言葉はいらねェ。もう分かり切ってる
俺達が互いに頼ってる事を俺達が知っている。それで充分じゃねェか
3人は同じことを口には出さず互いに伝えた。
“背中は預けた”
同時に再び天人に立ち向かった。