第6章 継続は力なり
~気を取り直して…~
「し…白夜叉だァァッ!!」
その一喝で、天人たちの表情は一変した。
2人相手でも手こずるのに、運悪く敵の味方が
寄りによって、あの白夜叉が…!
この戦場で、銀時のことを知らない者は決していない。
そういえば、銀以外の人は?
「ヅラと辰馬は?」
「もうすぐで来るさ。俺が先にここまで駆けつけたって訳だ」
そうか…つまり今回は銀時には感謝するべきということか
「それに、どっかのチビが迷子になってんじゃねーかって思ってな。案の定、よぼよぼ歩きのじーさんになってたし」
またしてもチビいじり
この状況に何でこんな脳天気なんだ?
銀時と犬猿の仲の高杉はすぐに反応した。
怒りマークも付いてた
「おい誰がじーさんだ?誰がへばってたって?」
「え?別に一言も君のことなんか言ってないけど…」
お得意のおちょくりで高杉を煽り、またしても喧嘩ムードに
さっきみたいに間に入る気もしない。
元々コイツらの仲裁役は、ヅラのポジションだから
(この小説始まってからの初登場も、確か喧嘩してたっけな)
1P前の茶番の後も、正直何も変わってない
何だこの緊張感の無さ?
(でも、やっぱりそういうことか…)
銀時はちゃらんぽらんな所はあるけど、今のやり取りには何かしらの意図があると、雅は気付いてた。
不思議と、披露してた高杉は銀時の挑発で喧嘩腰のいつも通りの調子になっている
銀時は高杉の調子を戻す為に、あえて挑発して元気付けたんだ
女の私にはよく分からんが、これがコイツらなりのバックアップか何か何だろう
(“犬猿の仲ほど 互いによく知る”…か)
そんな茶番がようやく静まったら、
私たちと天人の間は切羽詰まった
天人側からは、こんな声が
「せめて、女の首だけでも取れ!」
「この状況下で、最も討ち取れる確率が高い奴から一斉に狙うんだ!」
「白夜叉や鬼兵隊の頭よりもまずソイツだ!」
まるで、お荷物扱いしてるようだった。
(!)
高杉は強い殺気を感じ、雅を見た。
直視しなくても分かる
いつも以上に張り詰めてる雰囲気
鋭い眼差し
冷たい表情で、殺しに行くようなそんな威圧感を帯びていた
雅が一歩前に出た所を、思わず引き留めた。
「おい。落ち着け」