第2章 おにぎり国広
「山姥切、いつもありがとうね。それから、山姥切の事、写しだとかどうとか、そんな事思った事ないからね」
もっと微笑んでくれるかと思ったら、口をへの字に曲げた彼が言葉を返してくる
「そもそもあんた、刀に写しがあるとか知らなかっただけだろ」
図星だった。
刀に詳しくも無ければ、日本の歴史だって正直昔学校で習った以上の事は知らない。
というか、歴史自体詳しくないんだけどそれもお見通しだった
「ふん・・・まぁヘタに知識がある奴よりはあんたくらいの方が丁度いい」
誉められているのか貶されているのか・・・
「わ、話題変えよう!ねぇ、山姥切は好きな食べ物とかある?」
突拍子もない私の言葉にさらに訝しげにする山姥切。
「折角お話しできるなら、私、山姥切の事何でも知りたいんだよ」
「・・・いきなり好物を聞かれてもな。・・・強いて言うなら・・・握り飯」
てっきり答えてくれないと思ってたのに、意外に真面目に答えてくれた
「具は?」
「具・・・?」
もしや昔の時代、おにぎりに具なんてなかったのかな
山姥切にツナマヨおにぎりを食べさせてみたい。
それで、一体どんな顔をするのか見てみたいな。