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【刀剣乱舞】箱庭男士

第1章 デジタル長谷部


訳の分からない出来事だらけの夜。


長谷部の言葉通りに眠るなんてとても出来ないままに
布団の中で何度も何度も寝返りを打ち
突然起きた出来事を頭の中で反芻しまくる。


長谷部は「辰の刻」とか言ってたけど、・・・それ何時なの。


いつの間にか外は明るくカーテン越しに日差しが差し込んでいた。


「丑三つ時」という言葉から推測して、おそらく辰は朝八時か九時くらいかな?


そう思いつつも七時半にはログインできないか何度もクリックしまくる私だった。


「と う ら ぶ」


読み込み中に流れた長谷部の声に一瞬ドキッとする。

ランダムなはずなのによりによって長谷部・・・。


目の前の桜の色がピンク色になった瞬間、続いて聞き慣れた声。



「刀剣乱舞、開始ですよ・・・主、必死過ぎですね」



んん!?最後なんかぼそっと言ったよね!?

暗転の最中、今度はバクバク心臓が早鐘を打つ。


「それで?何を話せばいいのです?」


・・・完璧にこちらの思考を読まれている・・・


「お、おはよう長谷部・・・」

「おはようございます。こんな時間に来るなど、初めてですね。やはり昨夜の出来事が余程衝撃的だったのでしょうか?」


「そりゃあもう。誰かに相談しようか何度も考えたよ」

「それはあまり良い考えではないですね」

「やっぱり?」

「もし主が他の方に俺達を見せようとしても無駄ですよ。その場合には決められた風にしか振る舞いませんよ。」
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