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【イケメン戦国】時をかける妄想~

第5章 恋敵は突然に


「あっ‥ぶねー!」
すんでの所で、謙信の斬撃を
受け止めた幸村は佐助に叫ぶ。


「おいっ!お前の主君だろ!止めろよ!」

「すまない、幸村。」
君の犠牲は忘れない‥と、いつの間にか
庭の木の上に避難した佐助は
わざとらしく眉間を押さえる。


「くっ‥そ!」
ギンッ!と謙信の刀を退き、
刀を構え直す。

ふと、隣を見れば先ほどまで
隣に居たはずの信玄は
忽然と姿を消していた。

一瞬、目を疑う幸村。

「‥はあ?!ふざけん‥なっ!」
謙信の重たい斬撃を
ことごとく退け、佐助を見る。


佐助は一度大きく頷き、
人差し指と中指をおでこに当てた。

「‥アディオス。」
ブワッと風が巻き起こると、
次の瞬間、佐助の姿はなかった。


「あでぃ‥」
一瞬、佐助の謎の言葉に
ポカンとする謙信と幸村。

(言葉が古いよっ!佐助くん!)
いや、でも謙信様達には新しい?と
謎のパニックを起こす凛。


ふん、と謙信は鼻を鳴らし構え直した。

「凛の隣は心地良かったろう?」

「まあまあ。」
邪魔していんならしますけど?と
幸村は不敵な笑みを浮かべた。

瞬間、謙信の眉間の皺が深くなる。

「覚悟は出来たか?幸村。」
カチャリと姫鶴一文字が鳴る。

「出来ればしたくねー。」
ジリっと幸村の重心が移動する。


「安心しろ。後でお前の主君と佐助も
同じ所に逝かせてやる。」

「そりゃあ、ありがてー。」
(‥くそ、あいつら‥)


「覚えてろ‥よっ!」

キィン!!

刀同士がぶつかりあう音がしたのと
幸村の絶叫が聞こえたのは、
そう間は開かず‥





「でも、やっぱり古いよ!佐助くん!」

凛の出した答えと声は、
抜けるような青空に溶けていった。



end.

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