第4章 桜カーニバル
「!‥の、信長様!」
凛はパッと頬を朱に染めて
口元に人差し指を立てる。
「内緒ですって言ったじゃないですか!」
凛は、もー!と口を尖らせている。
「そうだったか?気になる男がいると。」
それしか聞いてないもんでな、と
益々愉しげに笑みを深める。
「それは本当か?凛」
「秀吉さん!気にしないで!」
顔を覗きこむ秀吉に手のひらで
壁をつくり、ブンブンと首を振る。
「凛、俺なら俺と素直に言え。」
周りの武将達の視線と期待が一気に集まる。
「‥政宗さんじゃないでしょ。」
「なんでしょう。胸がモヤモヤします。」
何かの病でしょうか?と自分の胸を擦る。
「‥三成はもう黙ってて。」
「凛の想い人か、興味深い。」
ククっと妖しい笑みを浮かべる光秀。
「イノシシ女でも恋をするんだな。」
「幸、凛さんはイノシシじゃない。
どちらかと言えばうり坊だ。」
小さくて可愛らしく、それでいて
力強い、そんな女性なんだよ、と
声を大にして語りだす佐助。
「佐助くん、フォローになってない!」