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【イケメン戦国】時をかける妄想~

第4章 桜カーニバル


「では、美しい桜に乾杯。」
皆、楽しむが良い、と盃を掲げる。

信長の掛け声と共に
ワア!と歓声が上がり宴が始まった。


安土、春日山の武将達は
一際大きな桜の下で凛を囲み
少し離れた所では家臣達が
ワイワイと盛り上がり始める。


「凛、これ旨いぞ。食べてみろ。」
政宗が筍の煮物を凛に取り分ける。

「美味しい!政宗の料理は最高だね!」
ほっぺに手を当て幸せそうに微笑む凛。

「ほら凛、口元についてるぞ。」
凛の隣に座る秀吉は
今日も甲斐甲斐しく世話を焼いている。

「え!本当!ありがとう。」
恥ずかしそうに頬を染めれば、
それを見て光秀がククっと笑う。

「桜を眺めずとも凛を見れば
花見のようなものだな。」

「ええ。凛様は大変
可憐でいらっしゃいますから。」
三成もニコニコと微笑む。


その三成の横には不機嫌そうに
真っ赤な料理を食べる家康。

(‥なんで三成の隣なの。)
家康は無心で料理に七味を掛け続ける。


「‥おい佐助、なんだありゃあ。」
呆然と家康の器を見やる幸村。

「‥家康公は激辛好き‥と。」

「‥佐助、お前たまにおかしくなるよな。」
懐から取り出した紙の束になにかを
書き留める佐助の顔はほのかに赤い。

(ダメだ、酔っ払ってる‥)



「俺の天女は愛されているなあ。」

「いつお前の女になったのだ、信玄。」
凛のコロコロ変わる表情を見ながら
盃を空にしていく信玄を横目で見やると
ふん、と面白くなさそうに酒を煽る。


その謙信の横で、脇息にもたれ
ゆったりと盃を傾ける信長は
ニヤリと愉しげに口端を上げ、
凛に問いかけた。

「時に凛、好いた男がおるのか?」




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