第3章 【R18】交差する想い
「‥じゃあ凛、ゆっくり休めよ?」
くしゃりと凛の頭を撫で
秀吉が優しく微笑む。
「私達は今日も安土城に居ますので
なにかあれば呼んで下さいね。」
隣にいる三成もニッコリと微笑んだ。
「2人ともありがとう。」
なんとか笑顔を作り二人を見送る。
襖が閉まると凛はその場に
力無く座りこんだ。
(‥大好きだった。)
終わりにしたいと思っていたのに
もう繋がることはないと自覚すれば
じわりと涙が溢れそうになる。
(‥本当に‥私。)
でもきっと、これでよかった。
どうして愛されなかったのか。
どうして私じゃダメだったのか。
どうして好きになってしまったのか。
どうして、どうしてが積もっていた。
たくさんの人に迷惑も心配も掛けた。
それでも止まれなかった。
あの人の心に触れてみたかった。
そんな思い、全部に蓋をする。
忘れることは出来ないけど
大切な思い出として生きていく。
明日からは笑顔でいよう。
振り返らずに歩いて行こう。
だから今日だけ‥今だけ、
泣いてもいいよね。
静かな夜の静寂に凛の涙と
それを見守る星たちが輝いていた。