第13章 俺の相棒【刀剣乱舞コラボ】
「‥と、言うわけだ。」
俺達が来たことで歪が出来て、
奴らが察知したかも知れねえな、と
薬研が腕を組む。
朝餉の後、薬研に呼び止められた
一期一振は弟の言葉に耳を傾ける。
「‥なるほどね。了解した。」
ありがとう薬研、と頭を撫でる。
「いち兄、頼むからやめてくれ。」
五虎退じゃあるまいし、と薬研が
苦笑いをしながら髪を直す。
薬研の話によると、遡行軍の気配が
日増しに濃くなっているという事だ。
「さっさと来てくれればいいですがね。」
宗三が、やれやれと言わんばかりに
ため息をつく。
「主には報告したのかい?」
朝餉の盆を下げながら光忠が振り向く。
「ああ、昨日の内にこんのすけ経由でな。」
「‥来れば切るだけだ。」
大倶利伽羅が不機嫌そうに呟く。
「ま、そう言うこったな。」
各々、気を抜くなよと薬研が笑う。
「言われるまでもないな。」
宗三、付き合えと長谷部が立ち上がる。
「長谷部、どちらへ?」
「鍛練場だ。」
すでに歩き始めた長谷部を
宗三が、気怠そうに着いて行く。
「では、私は秀吉様にご報告を。」
と、一期一振も立ち上がる。
「俺も行くぜ。」
話が分かりやすいだろ、と薬研も
同時に立ち上がる。
「片付けはやっておくよ。」
光忠がニッコリ微笑む。
伸びた右腕の先では
立ち上がりかけた大倶利伽羅が
ガッチリと掴まれていた。
「申し訳ない。お頼み申します。」
「悪いな、お二人さん。」
「気にしないで。」
左手を振り、二振りを見送ると
逃げ出そうとする大倶利伽羅を振り返る。
「‥なんで俺まで。」
「片付けも格好良くだよ?伽羅ちゃん?」