第13章 俺の相棒【刀剣乱舞コラボ】
「何やってんですか、あんた達。」
宗三が冷めた目で見下ろす先では、
腕や足に切り傷や擦り傷だらけの
光忠と大倶利伽羅が薬研に
応急処置をされている。
「本丸なら大将に手入れしてもらえば
綺麗に治るんだがな。」
ほいっ、こんなもんだな、と
手当てが終わったのだろう
薬研が薬箱を片付け始める。
「ありがとう、薬研君。」
「‥ふん。」
格好つかないね、と笑う光忠の横で
プイッと顔を背ける大倶利伽羅。
「手合わせで本気になるなんて。」
普通、真剣でやりますか?と
宗三は大きなため息をついた。
「元気があっていいじゃねーか!」
明日は俺と手合わせしようぜ、と
政宗が光忠と大倶利伽羅の肩を抱く。
「‥政宗さんは止めて下さい。」
包帯がいくらあっても足りない、と
家康はうんざりした顔で政宗を見る。
「光忠さん、厨は私が手伝いますから。」
大倶利伽羅さんもゆっくり休んで下さい
と、凛が心配そうに声を掛ける。
「これくらい問題ないよ。」
ありがとう、と光忠が笑う。
「‥でも」
と、凛が言葉を続ける前に
襖が開き秀吉と三成、その後から
一期一振が入ってくる。
「お、手当てはもう終わったのか?」
怪我したと聞いたが大丈夫そうだな、と
秀吉が二振りを見やる。
「さすがは政宗様の愛刀ですね。」
気質も似てくるものなのですかね、と
三成がニコニコと微笑む。
「確かに、少なからず
影響はあるかも知れませんな。」
一期一振が秀吉の後ろで微笑んだ。
「一期も俺に似てるのか?」
秀吉が一期一振を仰ぎ見る。
「一期さんは、温和な感じが
秀吉さんに似てますよね。」
凛が笑って見せると、
一期一振がふふっと微笑んだ。
「いえ、私は女人が大好きで。」
これは秀吉様の影響ですな、と
照れるように微笑む一期一振に対して
固まる秀吉と凛。
「はっはっは!こりゃあいい!」
「政宗くん、笑いすぎだよっ‥ふふっ」
腹を抱えて笑う政宗を光忠が窘める。
家康と大倶利伽羅がため息をついて
三成がキョトンとした顔で止めを刺す。
「刀に影響を及ぼす程に
秀吉様は女人好きなのですか?」
「追い打ちは止めておあげなさい。」
宗三が三成の肩をポンポンと叩く。
じとっと見つめる凛の横で
秀吉は暫く顔を上げられなかった。