第3章 【R18】交差する想い
「‥じゃあ、また見にくるから。」
おとなしくしてなよ、と言い残し
家康は凛の部屋を後にした。
静かに襖が閉まり、静寂が訪れる。
部屋には微かに雨音だけが響く。
「‥わかってるよ‥。」
ポツリと凛が呟く。
――わかってる。自分でも。嫌って程。
"愛されてない"そんな事くらい。
皆が心配してくれてる事も、
皆に迷惑かけてる事も。
それでも、止まらない。
何故、こんなに執着するのか
自分でも理解できない。
もう少し、あと何回、身体を重ねれば
あの人の心が振り向くかも知れないという
淡く、脆い期待なのか、
今まで身体を重ねてきた事を
全て無に返す事への不安なのか、
「‥卑怯者‥。」
離れるくらいなら
このままでいいだなんて
なんて浅はかなんだろう。
自嘲する言葉を紡ぎ、
再び凛は深い眠りに落ちた。
外の雨は、まだ、止みそうもない。