第13章 俺の相棒【刀剣乱舞コラボ】
翌朝、騒がしい朝食を終えて
武将達は天守に集まり
軍議を開いていた。
「―――――報告は以上です。」
「その件は引き続き家康に任せる。」
必要なら三成を連れて行け、と
信長が指示を出していく。
滞り無く軍議が進む中、
秀吉はどこか心ここに在らずだ。
「秀吉様?」
「‥んっ?ああ、どうした?」
隣で心配そうに見つめる三成に
秀吉はハッと我に返る。
「なにか書簡に不備でもありましたか?」
「いや、なんでもない。すまないな。」
その様子に家康がため息混じりに
秀吉を見やる。
「光秀さんがついてるんなら大丈夫でしょ。」
「あ、ああ。そうだな‥。」
凛が宗三と出歩くに当たり
軍議を抜けれない秀吉に代わり
護衛兼監視として光秀がついている。
「‥猿。」
「はっ!」
「お前が心配なのは凛の身か?」
それとも‥と、信長の口角が上がる。
「‥心か?」
「‥それは――――」
その頃、城下では好天に恵まれ
心地よい日差しを浴びながら
凛と宗三が並んで歩いていた。
「あ!新しい反物だ!」
「おお、いらっしゃい。」
すっかり顔馴染みの反物屋の店主と
挨拶を交わし反物を手に取り眺める。
「あなた、針子なんですか?」
「いえ、趣味‥みたいなものです。」
目を輝かせて反物を見つめる凛を
宗三は眩しそうに見つめていた。
その様子に気づいた凛は
慌てて反物を皺にならないよう畳み直し、
「すみません、見入っちゃって!」
さあ、行きましょう!と、店を出た。
お茶屋に着くと、店先の長椅子に
二人で腰掛けて注文を済ます。
「ここのあんみつが凄く美味しいんです!」
「そうですか。楽しみですね。」
あんみつが来るまでの間、
他愛のない話で盛り上がる。
「宗三さん本当に綺麗ですよね!」
髪の毛もサラサラで‥秘訣とかありますか?
と、興味津々に質問する。
「特に何もしてませんが‥。」
早寝早起きですかね?と冗談交じりに
クスクスと笑う。
「本当羨ましいー。」
元の世界ではシャンプーとか
結構拘ってたんですよ、と凛が
笑うと宗三が首を傾げた。
「‥帰りたいんですか?」
「え?」
「僕達と来れば帰れるかも知れませんよ?」