第13章 俺の相棒【刀剣乱舞コラボ】
「さあ、たくさん食べてね!」
ニコニコとご機嫌な燭台切の声が
賑わう広間によく通る。
「わあ!すっごく美味しい!」
イケメンで料理も出来るなんて!と
凛は、料理を頬張る。
「おい、凛。詰め込みすぎだ。」
ほら、お茶を飲めと相変わらず
隣で世話を焼く秀吉。
「仲が宜しいですな。」
その横では一期一振が、
丁寧な所作で器を空にしていく。
「どれ、薬研。私があーんしようか。」
「おいおい、勘弁してくれ一兄。」
他の弟に示しがつかねえ、と薬研が
少し照れたように顔を逸らす。
「さすがは俺の刀達だな!」
この汁物も完璧だ、と
秀吉の正面に座る政宗は
右に燭台切、左に大倶利伽羅と
自分の愛刀達に挟まれ満足気だ。
「料理もかっこよく!だよね。」
「‥フン。悪くない。」
大倶利伽羅の隣に座る家康は
遅れてやって来た三成に見つめられ
酷く機嫌が悪い。
「‥なに?」
「いえ、ただ‥」
本日はいつもより唐辛子が多いですね、と
微笑んだ三成は今日も絶好調に
キラキラと輝いている。
「‥お前の頭にも詰めてやろうか。」
薬研の隣に座る宗三は
少食なのか早々に箸を置き、
騒がしい皆の様子を見ていた。
「どうした?」
隣で酒を煽る長谷部に宗三は
ため息混じりに呟く。
「あなた、お酒なんて
呑んでていいんですか?」
「ふん、今日は主命も無いからな。」
「ふふ、確かに。」
「そういえば、信長様は?」
いつも一緒に食事をされるのに、と
凛が辺りを見渡す。
「今日は天守で召し上がられるそうだ。」
光秀がついてるから問題ない、と
秀吉が凛の湯呑みに茶を足す。
「‥そうなんだ。」
(せっかくだから一緒に食べればいいのに)
「そういえば、皆様は刀なのですよね?」
三成がいつもの知的好奇心に駆られ、
「そうですな。」
三成に負けないスマイルで
一期一振が答える。
「他にもお仲間が?」
「ええ、勿論。」
我々は一部隊六振りで編成されますので、
と丁寧に説明をする。
「そうですな。‥ああ。」
一期一振がふと思いつき、家康に
ニッコリと視線を送る。
「‥なに?」
「家康様の愛刀、物吉貞宗も
元気に出陣しておりますな。」
家康は一瞬、目を見開くと
照れたように目を伏せ呟いた。
「‥やめてくれる?」