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【イケメン戦国】時をかける妄想~

第13章 俺の相棒【刀剣乱舞コラボ】


「ここが中庭です!」

夕餉までまだ時間がある為、
少し不貞腐れたような家康と
一期一振、宗三左文字を連れて
訪れたのは景観が美しい中庭。

「さすがは信長様の庭ですな。」

「凄く綺麗ですよね!」

春夏秋冬が楽しめる木々や花々の配置や
低木とのバランス、手入れの行き届いた
中庭は凛のお気に入りの場所だ。

「‥あいつらは。」

家康がふと目を細め、見つめる先を
つられるように凛が見やると
今は、葉を茂らす桜の木の下に
薬研と長谷部の姿が見えた。

「薬研くーん!長谷部さーん!」

凛が大きく手を降ると
気づいた薬研が小さく手を振り返し
こちらに歩いて来る。



「‥あなたは僕達が怖くないのですか?」

翡翠と蒼の二色の瞳を細めて
宗三左文字が口を開いた。

「‥怖くはないです。」
長谷部さんには切られるかと
思っちゃいましたけど、と凛が
へへへっと笑ってみせる。

「だって皆さん、優しい目をしてるから。」


「‥変な人ですね。」

「ふふっ、よく言われます。」
特に光秀さんに、と凛は笑った。




「先程は、すまなかったな。」
先に口を開いたのは長谷部だ。

「その‥怖がらせただろう。」
謝り慣れていないのか、長谷部は
視線を逸らしながら呟く。

「もう大丈夫ですよ。」
私、こう見えて強いんです!と
ガッツポーズをして見せる。

「凛‥だったか。」
暫く世話になる、と長谷部が
フッと笑った。

「先走りすぎなんですよ、あなたは。」
やれやれ、と言わんばかりに
宗三がため息混じりに呟いた。

「宗三、止めてやれ。」
ニヒヒっと薬研が笑う。

少しだけ緊張の糸が解れ、
周りの空気が柔らかくなったのを
凛は感じていた。



「‥ほう。凛はもう懐いたようだな。」

「そのようです。」

「お前の人たらしが移ったのではないか?」


天守では信長、秀吉、光秀が
揃ってその様子を見ていた。

「秀吉、暫くは凛の護衛につけ。」

「はっ!」

「光秀、やつらから目を離すな。」

「御意。」


日が暮れ始めた安土の町を
薄っすらと出た月が見つめていた。
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