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【イケメン戦国】時をかける妄想~

第13章 俺の相棒【刀剣乱舞コラボ】


「あ、ほら見て伽羅ちゃん!」
凄く良い野菜だね!と、
楽しそうに市場を巡る光忠の後ろを
眉間に皺を寄せて歩く大倶利伽羅。

夕餉の時間が近い事もあり、
安土城下の市場は賑わっている。

「燭台切さんは料理が好きなんですか?」

「僕らの前の主が料理好きでね。」
その影響があるんだと思うよ、と
光忠はニッコリと微笑んだ。

「僕は太刀で、伽羅ちゃんは打刀。」
今日は居ないけど、後何振りかいるよ、と
優しく教えてくれる。

ただ一人の主に仕えることもあれば、
何人も主を渡り歩く刀も居る。

主の自害に使われた者も居れば、
刀として使われる事なく飾られ、
その本分を全う出来ない者も居る。

(刀にも色々あるんだなあ‥)

チラリと振り返ると、
秀吉の傍にピタリと控えて、
穏やかに微笑む一期一振が見える。

「皆さん、主が大好きなんですね。」

「そうだね。僕たち刀は主の刃であり、
同時に護る為の盾でもあるから。」

使う側と使われる側、同じ死線を潜り
戦い抜いてきた絆があるんだ、と
懐かしむように光忠は笑った。

「まあ、全ての刀がそうではないけどね。」
と、光忠がチラリと視線を投げた先には
秀吉達の少し後ろを歩く三振りの姿が見える。

「おい、喋りすぎだ。」

「ごめんね、伽羅ちゃん。」

フン、と鼻を鳴らし再び前を向いて
歩き始めた大倶利伽羅が何かに気づいた。

「あれ?そういえば、お二人は誰の‥」



「凛、秀吉!こんなとこにいたのか。」

誰の刀なんですか?という言葉を
ハツラツとした声が遮った。


「政宗!迎えにきてくれたの?」

少し気が立っているのか、政宗は
ガシガシと頭を掻いてため息をついた。

「お前らが遅いから信長様が‥」
と、言いかけて政宗が刀に手を掛ける。

「‥誰だ、お前ら。」

「ま、待って!政宗!」
今にも刀を抜きそうな政宗に、
凛が、足を踏み出しかけると、




それより早く、長い足を踏み出し
政宗に抱き着く黒い影が見えた――――

「‥なっ!?」

「おいっ‥!」


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