第13章 俺の相棒【刀剣乱舞コラボ】
「うーん、女の子に手は出すのは‥」
格好良くないよねえ、と笑うその姿は
どこか政宗に似ている気がした。
「凛っ!」
「秀吉さん!?」
聞きなれた声に安堵し、
気を取られた男性の脇を抜け
秀吉の元に駆け寄る。
「無事か?!よかった‥。」
「秀吉さんこそ大丈夫なの?!」
ポンポンと落ち着かせるように
頭を撫でられるとフッと肩の力が抜けた。
「ああ、俺は平気だ。それより‥」
秀吉が困ったように笑った。
「こいつらは、どうやら刀の神様らしい。」
「‥‥‥へ?」
あまりに唐突すぎる言葉に
間抜けな声がでた凛に
秀吉の横からクスクスと
お上品な笑い声が聞こえた。
「無礼をお許し下さい、凛殿。」
申し遅れましたな、と一歩前に出たのは
水色の髪をした軍服にマントの男性。
「私は一期一振。粟田口吉光の手による
唯一の太刀でこざいます。」
「一期‥一振?‥太刀?」
「こちらは弟の薬研藤四郎。」
吉光は短刀の名手でして、弟達は
概ね短刀か多いですな、と隣に立つ
黒髪の少年に視線を送る。
「よお。俺っちは薬研藤四郎。」
よろしく頼む、と少年は笑った。
秀吉を見て何かに気づいた眼帯の男性は
なるほど、と手を打つ。
「僕は燭台切光忠。青銅の燭台だって
切れるんだよ。‥格好つかないね。」
にっこり笑った眼帯の男性は
ちらりと横に視線を送り、
やれやれと云わんばかりに笑った。
「彼は大倶利伽羅。」
こう見えて優しいとこもあるんだ、と
慣れたように言葉を付け足す。
「‥馴れ合うつもりは無い。」
「‥はあ。」
急に始まった自己紹介に
頭がついていけない凛。
「そこの二人は‥」
「宗三左文字と申します。」
桃色の綺麗な髪を揺らし、
二色の瞳をゆっくりと細める。
「へし切長谷部だ。」
その横に立つ茶髪の男性は、
ぶっきらぼうに呟いた。
「‥凛です。」
よろしくお願いします‥?と
混乱したまま挨拶を交わす。
「あー、まあ‥歩きながら話す。」
とりあえず城に戻るぞ、と秀吉に
腕を捕まれそのまま歩き出す。
刀を名乗る不思議な一行と共に。