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【イケメン戦国】時をかける妄想~

第13章 俺の相棒【刀剣乱舞コラボ】


「一、二の‥三!」

秀吉の掛け声を合図に
勢いよく走り出す凛。

その少し後ろを秀吉が
様子を伺いながら走る。

それに、いち早く気づいたのは
偵察なら任せろと言っていた少年だ。

「薬研。」

空色の男性の合図で、走り出す。

瞬間、目で合図すると
茶髪の男性も同時に走り出した。

(は、はやいっ!!)
バクバクと心臓が音を立てて
足が縺れそうになる。

「凛!止まるな!走れ!」

秀吉は叫ぶと同時に身体を反転させ
刀を抜刀する。


既に追いついていた少年が
短刀を抜き放ち、跳んだ。

――――ガキィンッ!!

短刀とは思えぬ重い一撃に、
秀吉は受け止めるだけで腕に
ビリビリと痺れが走るのを感じた。

「‥っおお!」

なんとか、押し戻し少年を薙ぎ払う。
くるりと綺麗に着地をすると
その横に茶髪の男性と、いつの間にか
桃色の髪を整えながら二色の瞳が
こちらを見ていた。

「‥お前ら一体何者だ!」
秀吉が叫び、刀を握り直す。



すると、少年が何かに気づいた。

「待て!宗三、長谷部の旦那。」

こりゃあ、驚いたな、と少年が
短刀を鞘に収める。

そこで秀吉もある事に気がついた。

「その紋は‥まさか‥。」






一方その頃、凛は
秀吉から暫く離れた木の影に
身を潜めていた。

「‥もう‥走れない‥。」
(安土城までまだ距離がある‥)

息が上がり、日頃の運動不足を
今更嘆いてみても遅かった。

「秀吉さんを助けなきゃ‥。」

凛が足にグッと力を入れたその時、
視線の先にフワフワした黄色い塊が見えた。

「‥狐?」

近くまでそろそろ寄ってみると
小さな小狐のようだった。

優しく抱き上げると小さく上下に
胸が膨らむのを見て、少し安心する。

「‥さっきの風に巻き込まれたの?」

よく見れば、ただの狐ではない。
顔には朱印が施してある。

(お狐様、みたいな‥)


「あれ?お嬢さんその狐が見えるの?」

その声に凛がハッと振り返る。
そこには眼帯に燕尾服の男性と、
その少し後ろに色黒の男性。

「‥あ、えっと‥その‥。」
逃げたいのに、足は一向に動かない。


「おかしいな。見える筈がないのに‥」

「‥なんでもいい。」
はやく回収しろ、と後ろで
腕を組む色黒の男性が
面倒くさそうに呟いた。
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