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【イケメン戦国】時をかける妄想~

第13章 俺の相棒【刀剣乱舞コラボ】


――――何刻過ぎただろうか。

永遠にも思えた轟音が少しずつ止み、
ヒュウヒュウと風も収まってくる。


「‥収まってきた‥か?」

秀吉が恐る恐る、腕を緩める。

「‥よかっ‥た。」
(ワームホールじゃない、ならアレは‥)



凛と秀吉の視線の先には
未だ風を巻き上げながら浮かぶ
黒く大きな球体のような渦。

「‥なんだ、これは‥。」

周りの木々は雷風で薙ぎ倒され、
自分達が無事な事が不思議なくらいだ。


「ひっ!秀吉さん!」

「‥ッ!!」

ズズズと黒い渦の中から
人の腕のような物が見えた。






――瞬間、ドドドドっと音を立て
重なり合うように人が降ってきた。

「ハハッ!格好悪いね!」

「おい、光忠‥早く退けろ。」

光忠と呼ばれた眼帯に燕尾服のような
格好をした長身の男性は、
自分が下敷きにしていた色黒で
腕に龍の入れ墨のある男性を
引っ張り上げる。

(色黒さんは学ラン‥じゃないか。)


「ああ、ごめんね。他の皆は大丈夫?」

「ええ、問題ありませんよ。」
そう答えたのは、桃色の綺麗な髪を
なびかせて二色の瞳が印象的な男性。

(‥揚羽蝶みたいに綺麗。)

「問題ある!宗三!早く退けろ!」

宗三と呼ばれた男性が足を組んで
下敷きにしていた人は、
いかにも真面目そうな茶髪の男性。

「おや、長谷部。何故そんな所に?」

「何故じゃない!貴様が降ってきたんだ!」

ああ、もう五月蝿いですねえと、
至極面倒臭そうに腰を上げる。

「一兄、これは一体どーしたもんかね。」

一兄と呼ばれた空色の髪の毛の男性は
軍服にマントを付けている。

(いちにい?お兄さんなのかな?)

「薬研、こんのすけを探してくれるかい?」

「おう、偵察なら任せな。」

薬研と呼ばれた黒髪の少年は
一兄と呼ぶ男性に似た軍服の
半ズボンタイプを着こなしている。



「‥凛、一旦引くぞ。」

「え?あ、うん!」

彼らを放出した黒い渦も音を立てて消え
幸いにも、まだこちらに気づいていない。

(イケメンに見惚れてる場合じゃない!)

なんにせよ、謎の渦から出てきた彼らを
刀一振りでは太刀打ちできないと、
秀吉は察したのであろう。

「俺が合図したら走れ、いいな?」

コクコクと頷いて見せると
秀吉は安心させるように笑った。

「‥行くぞ‥。」

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