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【イケメン戦国】時をかける妄想~

第10章 Enjoy Summer


「あー、美味しかったー!」
わいわいと騒がしかったBBQも終わり
片付けも一段落した所で信長に呼ばれ
二人で並んで浜辺に腰を降ろす。

大きな夕日がゆっくりと
水平線に沈んでいく。

「‥綺麗ですね。」
そう呟く凛の横顔は
夕日を浴びて、どこか艷があり
美しく輝いて見える。

「ああ。そうだな。」
隣に座る信長がそっと
凛の頬に付いた砂を払う。

「‥だが、お前も美しい。」
ニヤリと口端を上げて笑うと
凛は恥ずかしそうに目を伏せる。



「‥おい、信長様どうしたんだ?」

「‥知るわけないでしょ。」
少し離れた場所で政宗と家康が
その様子を見守る。

「‥凛様は信長様を
お慕いしておられるのでしょうか?」
少し淋しげに三成が呟く。

「さあな。」
胸を抑える三成を見て、
秀吉は苦笑いを零した。



「本人に聞けばいいじゃねーか。」
幸村が不思議そうに呟く。

「まあ、それはそうなんだが‥。」

恐らく誰しもが凛が
自分を好いてくれていたら、と
願っていることだろう。

「今の状況を壊すのが怖いのだろうよ。」
いつの間にか現れた光秀が
クククッと喉を鳴らす。


「そんなもんなのか?」
ってか、お前ら全員凛を
狙ってんのか?と幸村が気づく。

「お前も人の事は言えないだろう?」
幸村の横で信玄が大人の余裕を見せる。

「お、俺は別にそんなんじゃねー。」
ただあいつの笑顔が見れたら
それでいい、と小さく呟く。


武将達の会話をそれまで
黙って聞いていた謙信が、
ゆっくりと口を開く。

「やはり、閉じ込めておくべきだな。」
凛は春日山に連れていく、と
謙信は薄く笑みを浮かべた。


「‥そんなの見逃すわけないでしょ。」
馬鹿なの?と家康が謙信を
真っ向から睨みつける。

「なら、聞いてみるか。」
本人に聞くのが早い、だろ?と
政宗がニヤリと笑う。




「‥っ。」
痛い程の視線を感じて
凛の身体がゾクリと震えた。

(なんだか悪寒が‥)

ゆっくりと沈みゆく夕日が
少しひんやりとした空気と共に
夜の帳をおろし始める。

「‥いくか。」

砂浜に座る二人の元へ
誰からともなく歩を進めた。


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