第8章 【R18】暑い夜と熱い夜
「‥凛。」
家康はゆっくり立ち上がると
そのまま凛を抱き上げる。
「‥もう撤回できないから。」
覚悟して、と微笑む。
すっかり日も落ちて夜の帳が降りる。
月光に照らされた凛は
家康の腕の中で幸せそうに微笑んだ。
凛を褥に優しく降ろすと
家康は再び凛を抱きしめる。
「‥ずっとあんたが欲しかった。」
ずっと触れたかった、と呟いた声は
小さく掠れてしまった。
「‥家康。」
はあ、と熱い吐息が漏れる。
互いに熱の篭った瞳で見つめ合う。
ドクンドクンと高鳴る鼓動は
どちらのものか分からないほど
静かな部屋に響いて聞こえた。
「‥全部、ちょうだい?」
いつもなら言えない素直な気持ちが
篭った熱と共に溢れでる。
「‥私も、家康が‥欲しいよ。」
全部あげる、家康になら‥。
ずっとずっと触れたくて、
触れられたかった愛しい人だから。
「‥凛、好きだ‥っ。」
「‥んんっ」
噛みつくような口づけに
凛は全身の力が抜けていく。
「‥んっ!ふ‥はあっ」
吐息さえ奪うような激しい口づけに
必死に応えるその姿に、
家康の熱がさらに高まる。
「‥はあ、凛。」
ごめん、手加減出来ない、と呟き
凛の着物の帯を解くと
美しい肢体が露わになる。
「‥そ、んな見ないで。」
恥ずかしそうに身をよじる凛の
白い肌にゆっくりと舌を這わす。
「‥んっ!っあ‥」
今まで感じたことの無いような感覚が
凛の身体に走る。
「‥んんっ!っやあ‥」
はあ、と熱い吐息が溢れ
身体の奥がジンと疼き始める。
(‥知らない、こんなの‥。)
今まで感じたことの無い感覚に
戸惑い、家康を見つめると
家康は熱の灯った瞳を
意地悪そうに細めた。
「‥大丈夫。すぐ良くしてあげる。」