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【イケメン戦国】時をかける妄想~

第8章 【R18】暑い夜と熱い夜


(これは、いる‥こっちは‥。)

薬剤の貯蔵庫で薬剤の整理をする家康。
外からは時折、凛が楽しげに
ワサビと戯れる声が聞こえる。

「あははっ、くすぐったいよ!」
鈴が鳴る様な可憐なその声に聞き入ると
気づけば作業をする手が止まる。


(全然、集中出来ないんだけど‥。)
はあ、と一つため息を吐くと
並んでいる瓶の一つに手が触れ、
受け止める間もなく床に転がった。

面倒くさいと言わんばかりに
落ちた小瓶を見やると、
家康はハッと何かに気づく。


「‥この小瓶。」

"いわゆる、媚薬と言うやつだ"

凛が好みそうな小瓶。

頭の片隅に追いやっていたハズの
光秀の面白がるような笑みと
その小瓶の中身を思い出す。


「‥別にこんなもの無くても。」
凛を振り向かせれるし‥と
小瓶を棚に戻そうとする家康。


でも、もしその間に奪われたら?

"凛を好いているのは‥"

その相手が自分じゃ無かったら?

"なにもお前だけではない"


素直になれない自分の性格と、
今になって光秀の言葉が
家康に重くのしかかる。



「‥‥。」

暫く小瓶を見つめ、考えると
家康はそっと懐にしまい込む。

整理の途中だった貯蔵庫を
振り返りもせずに、
家康は台所へと向かった。

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