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【イケメン戦国】時をかける妄想~

第7章 二人の宝物


「まあ‥ね?」

「違う。政宗だ。」
はははっと笑いながら桔梗に
名前を呼ばそうと教え込む政宗。


「おい、桔梗が困ってる。」
ひょいと横から桔梗を抱き上げる秀吉。

「相変わらず可愛いな、桔梗。」
凛にソックリだ、と
溢れんばかりの笑顔を見せる。

「ええ、本当に愛らしいです。」

「三成。桔梗に触らないでくれる。」
頭を撫でようとした三成の手を
家康が払いのける。

「大丈夫です、手は洗いましたから。」

「誰も菌の心配はしてない。」
菌よりお前の方が危ない、と
家康は秀吉から桔梗を預かる。


家康に抱かれた桔梗は
しばらく辺りを見回して、
ハッした表情を浮かべた。

「んー!んー!」
急に腕の中でバタバタと暴れだし、
落ちそうになる桔梗を床に降ろす。

「桔梗、危ない‥っ!」
家康が危ないだろと言い終わる前に
桔梗がたたっと走り出す。


「のぶまっ!」

桔梗の視線の先を追うと
そこには信長が両手を広げて
桔梗を待っていた。

キラキラと瞳を輝かせて
信長の胸にダイブする桔梗。

「‥なっ‥!?」

「なんだと‥?」

家康と政宗が唖然と見送る中、
信長はニヤリと口端を上げた。

「よくわかっておるな、桔梗。」
優しく抱きとめ、頭を撫でると
懐から丁寧に包まれた袋を取り出す。

「あれは金平糖?!いつの間に!」
戸棚には鍵をかけた筈‥と
家康の横で秀吉が愕然とする。


「ふん、他愛もないな秀吉。」
いつの間にか信長の背後に立つ光秀が
妖しく微笑んだ。

「光秀っ!‥あの野郎。」
信長が夜な夜な金平糖を
間食しないようにと秀吉が戸棚に
設置した鍵はたやすく突破されたようだ。


桔梗は信長から金平糖を受け取ると
嬉しそうに微笑んでペコリと
可愛らしくお辞儀をしてみせた。

「のぶなま、ありあと!」

その笑顔を見やると、信長は
ふふんと鼻を鳴らした。

「俺の秘蔵の金平糖だ。」
心して食せ、と桔梗の頭を
愛おしそうに優しく撫でた。

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