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柊家のもう一人の天才【終わりのセラフ】

第1章 嫌われ者の入学


「やだ」


スイはまたもや即答する。



「え〜なんで」


「……めんどくさい」



スイのシンプルな答えに、深夜は苦笑する。


「まあそう言わずにさ。だって一瀬家の次期当主がどれくらいの実力を持ってるのか気になるじゃん」


「……どうせ深夜が気になるのは、柊潰しに使える奴かどうか、ってだけなくせに」


「あは、まあね」



……正直というかなんというか。



柊深夜は養子だ。

スイや暮人と違って、柊の血を継いでいるわけではない。

そのため、柊家のなかではクズ扱いなのだが、その実力はかなりのものだ。

幼い頃から殺し合いみたいなものをさせられてきた深夜は、日頃から柊が嫌いだと言っている。

だから、同じく柊家が嫌いであろう一瀬家に興味があるのだ。

ラッキーなことに、一瀬家の次期当主候補である一瀬グレンは今日第一渋谷高校に入学してくる。

それで深夜は、柊家のなかで一番仲の良いスイを誘ったのだろう。




「ねえ〜行こうよ〜」


「……ガキ」



ねだり続ける深夜とそれを片っ端から断っていくスイ。



先に根を上げたのは、スイだった。




「……あーもう。分かったから、行けばいいんでしょ」


半ば投げやりだが、深夜はそれでも嬉しそうだ。



「やったー。そうと決まれば、早く行きますか」


「……はいはい。じゃあ車出してもらおうか」




そういうわけで、スイと深夜は一緒に学校に行くことになった。
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