第39章 好きな物
この本丸ができてから順調に行き過ぎたんだ
受け入れたいと思った刀剣男士達は皆私のことを受けいれこの本丸の住民になった
それが、どんなに愛されていた男士でもだ
受け入れてもらえないことに少し驚いたんだ
包「俺は、この主の力が尽きる時
俺も一緒にこの体を捨てたい」
五「包丁……!でも!」
包「でもも何も無い
ごこにいでも
その願いは聞けない、聞きたくない
俺は最後まであの本丸の包丁藤四郎で居たい」
パキパキと割れる音が静かな手入れ部屋に響く
ならばこの包丁藤四郎を出来るだけ長生きするには何がいいのか
何が最善か
自「お前の本丸の審神者の霊力が、尽きなければ生きるんだな?」
包「……何したってもう無駄だよ
俺の審神者はもう居ない
死んだんだ」
自「いや、まだ策はある
お前の審神者の霊力は使わせずに生きる方法が
私の霊力でお前の審神者の霊力の補助をする
契約はしなくていい
お前はお前の本丸の包丁藤四郎のまま生きれる
審神者の霊力はお前の体に残ったまま
私の霊力で体を保つ」
包「そんなうまい話あるわけない自分の力に浮かれるのも大概にしろ里親」
胸ぐらを捕まれて完全にキレた包丁藤四郎の顔が近くまでくる
胸ぐらを掴んでいる手に自分の手を添えて無理やり霊力を流し込むと怪訝そうな顔で私を見る
包「勝手に入ってくるな気持ち悪い」
自「そりゃ他の本丸の霊力だ最初は気持ち悪いだろうよ
ただお前の審神者の霊力が受け入れてくれれば気持ち悪くなんてなくなる
お前の意志とは関係なく、な」
流し込んでいると包丁の手が緩み気持ち悪そうに口を手で抑える
近くのゴミ箱を口元にやると何も出てこずに胃液だけ吐く包丁を見ながらも霊力の流し込みはやめない
だんだんと包丁のひび割れも治り包丁の中の霊力も拒むのをやめることが分かった
包丁の審神者の霊力を私の霊力で包み保護をする
ただ包丁にとっては他の本丸の霊力だ
1日1回は補充しなければ霊力の消費が早い
どんなに満タンにしたとて持っても2日弱
これが今の最善の延命治療と言っても過言ではない
自「今、包丁の審神者の霊力を保護した
霊力が拒むのもやめて今は気分がいいだろう
最後に残った審神者の力だ
大切にしてやれ」