第32章 ラジオ放送
鶴「俺達の伽羅坊は俺達に生きろと言った
伽羅坊は遠回しで分かりづらいが前を向けと言ってるんだ
なのに相棒のお前がずっと過去ばかりを見て前を向けないのは伽羅坊も望んじゃいないだろうし心配するだろう?」
光「...」
鶴「光坊は気づかなかっただろうが伽羅坊はどんな時も折れる時でさえも真っ直ぐに前を向いてかっこよかったぞ」
俺の膝の上に顔を伏せている光坊の髪の毛をゆっくりと手で梳く
静かに鼻をすする音が聞こえ始め膝が濡れていくのが分かる
光坊は伊達の刀の中で一番大人で一番子供だ
鶴「大丈夫だ
光坊になら出来るさ
なんて言ったってあの大倶利伽羅の相棒なんだからな」
光「無理だよ
ここの伽羅ちゃんとはもう仲良くなれない」
鶴「大丈夫
なれるさ、俺たちを引き入れたいと泣きながら言ってくれたんだ
ただ審神者を傷つけた事が許せなかったんだろう」
しばらくしゃくりあげる光坊の頭を撫でていると声をかけられスーッと障子が空いた
歌「少し落ち着いたかな?
もうお昼だからね、お昼ご飯持ってきたよ」
鶴「すまないな、感謝する」
光「...」
歌「光くんごめんね
さっきは伽羅が乱暴してしまって
びっくりしただろう」
光「僕が悪いから
謝らないで...」
歌「...僕はこの本丸で二番目に古参の刀、だからこの本丸の伽羅についてはそれなりに知っているつもりだ
すこし、伽羅の話をしよう」