第31章 蛍
蛍「バイバイ...っ」
審神者との別れを遂げた蛍丸とその場で契約を交わし馬車に乗り本丸へ帰る
自「審神者さんと会ったのは初めてじゃないって...言ってたけど...」
蛍「本物の俺はもう自分でもわからないくらいの海底に沈んでるんだけど魂は阿蘇神社に戻ったんだ
それでね、ひとりの男の子が赤ん坊の頃から毎日の様に阿蘇神社に来ては拝んでから学校に行ってを繰り返してる子が居てね...
その子が成人したと同時に阿蘇神社には来なくなったんだ...
それから俺の写しが作られて一時期有名になった
それから数ヶ月後ぱったりと来なくなった男の子が綺麗な黒の封筒に緑の蛍の光が描かれた手紙を持ってまた俺の神社に訪ねてきたんだ(笑)」
『ここに蛍丸という刀ってありますか?』
蛍「そういったんだ(笑)
遠目にだったけどねその子俺を見て泣き出したんだ
『本当にまた会えた』って...その時俺はよく分からなかったけど、それから男の子が老いて行くのを見届けて数百年後、この世界が作られて時間遡行軍が出てきた
それでとある本丸で唯一顕現できた刀が俺で、目の前に居た人が毎日の様に神社に来てくれてたもう死んだはずの男の子だったんだ
そこで『本当にまた会えた』って言う言葉を理解した
この子は、時を超えてもずっと一緒に居てくれたんだなって
でもそれと同時に、人間の姿で一緒に居れる時間は短いんだなとも思った
だからね、それを知ってる俺は会った時から覚悟は出来てたんだ
こうなる事も薄々気づいてた」
自「刀と人間の時を超えた友情か...
素敵だね(笑)
それじゃあ今日から数日以内にその封筒を持って過去の蛍に会いに行くんだね」
蛍「...歴史は何処かの時空で繰り返されているからね...
永遠の友達だよ(笑)」