第25章 壊れた太刀と見て見ぬふりの短刀
髭「...僕の弟の膝丸くんはさぁ...そんなにお馬鹿な子だったっけ...」
膝「...っ...」
髭「あんな虫だらけのお人形にすがり付く弱い子だったっけ」
いつもの穏やかな兄者とは違いこちらから見ると完全に鬼だ
すると死んだ自分の方に歩いて行き自分を見つめる
髭「気持ち悪い...ただの腐った生ものでしょこれ」
膝「やめてくれ...やめてくれ!!」
今「やめてください!
もうやめてください!
うすみどりがかわいそうです!!」
髭「...君も修行に行って分かったと思うけど
このままじゃ膝丸のためにならないんだよ
僕達は過去にすがりついてちゃダメなんだ
分かるよね」
胸元のボタンを外してそこから刀を引っ張り出す
現実を見せるのも兄の仕事
来る途中でそんな事言ってたっけ...
酷な仕事だね...
兄者が既に死んでいる自分の首に刀を振り下ろして切り離す
それと同時に膝丸の悲痛な叫び声が響く
岩融は今剣の腕を掴んで巻き添えをくらわないように止めている
髭「...政府くんこの死体はちゃんと処理しといてね
布...布...あった...」
うずくまって泣いている膝丸をよそに液体がついた刀を拭き自分の体にしまい服を整える兄者
髭「ほら、立って
僕達の本丸に帰ろうよ」
膝「...あにじゃ...っ...」
岩「今剣よ、1人で良く頑張ったな
俺と一緒に帰ろう
向こうは楽しいぞ」
今「...っ...」
岩「我慢せず泣いていいぞ」
今「僕は強くなったんです...!
泣きません!」
岩「ガハハハハ!頼もしい事この上ないな!」
自「ま、私が手を出さない事も大事だよな」
大「...今日相手してやろうか」
自「私の体は安くねぇし相手して欲しいのはそっちだろ」
大「そうだ、それがどうした」
自「うわ開き直ったよこいつ」