第16章 迷子の猫
自「......」
歌「これをくれないかい?」
「あいよー」
買い物をする歌仙の後ろをうろちょろ
するとドスッと後ろから誰かがぶつかってくる
少しよろけるがなんとか持ちこたえて後ろを向くとカールしたフワフワの薄い金色の髪の毛が見える
自「......」
五「ぃてて...ハッ!...
ご、ごめんなさい!」
自「...っ...」
どうしようかオロオロしてると五虎退がガバッと頭を下げた瞬間項部分のハイネックの洋服の隙間から少し青紫色の物が見える
よく見るとズボンの裾からはみ出てるスパッツの裾からも痣らしき物が見え隠れしている
じっと見つめていると買い物が終わった歌仙が話しかけてくる
歌「主?
...五虎退くん、かな?
どうしたの?」
五「あの、ぶつかってしまって...本当にごめんなさい!!」
歌「ああ(笑)その事はいいんだ、そんなので怒る心の狭い主ではないからね
君の主は、何処かな?」
五「あるじ様...いなくなっちゃいました...
探してたら...ぶつかって...」
最近では私の本丸もここに来るのが当たり前だから周りの人はもう噂話に飽きたのか私達に見向きもしないが少しだけヒソヒソする奴らはやっぱり居る
まぁいいか...
しゃがんで少しだけ手をマントから出し歌仙に見えるように五虎退のスパッツをめくる
歌「...っ...!」
五「あっ...ダメ!!...です...」
瞬間パンッと手を弾かれる
流石極なだけある
機動はそれなりにある
五「あるじ様以外には...見せちゃ...ダメ...です...」
歌「そっかそっか...
少しビックリしちゃったね
審神者が居なくなったって事は迷子かな?」
五「...はぃ...」
歌「それじゃああの椅子に座って一緒に待ってようか」
五「...はい...」
椅子に座り義足がバレないように隠す
途中で歌仙がお茶と団子を買ってきてくれて三人で食べる
その時付いてきた小さいナプキンに胸ポケットから出したマジックペンで連絡先を書いていく
[里親本丸
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辛かったら連絡して
助けてあげるから]