第1章 episode.00
購買のおばさんは、私の名前をちゃんと掛けてくれる人。
いつも良くしてくれて、独りの私からしたら唯一の友達であり親みたいな存在だと勝手に思ってしまっている。
そんな事を考えながらチョコチップメロンパンを頬張り終えれば持ってきていた苺オレを喉に通しながらクッキーは持ち帰ろうと思い鞄の中にしまう。
「わ、やっぱり降ってきたねー」
その声に思わず窓の外を見ると
黒い雲から大量の雨が降っていた。
……傘持ってきて良かった。
安心して窓から視線を外してから午後の授業の準備をした。
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午後の授業も終わり、下駄箱で靴をはきかえて鞄から折り畳み傘を取り出して、昇降口から傘をさしながら出る。
傘が水を弾く音、水溜まりを踏む音…
それらに包まれながら歩いていると
前方にゴミではない何か塊が見え、確認する為に近付くと…
陽「猫…?」
慌ててしゃがみ込んで猫に傘をさしながら再び様子を確かめると腹部が上がったり下がったりしているのを見て安心すればやる事は一つで…