第1章 episode.00
午前中の授業が終わり、お昼になれば固まっていくグループを横目に教室を出て購買まで向かうと相変わらずの混み具合に顔な歪む。
陽「はぁ……」
仕方ない、突っ込まないと時間なくなる。
そう思えば目の前の人混みを掻き分けるように入っていくと押された人達がこちらに目を向けた。
「あ、星川さんだ」
「どうぞ」
陽「そんなに避けなくても殴ったりしないよ。…ありがと」
思った事を口にしながら開けてもらった所を通ってショーケースの前に立つ。
お「あぁ、星川ちゃん。いつもの?」
陽「ん…と、チョコチップメロンパン」
お「今日はそっちなんだね。はいよ、120円ね…あ、これおまけ」
陽「ありがとうございます」
お金を払ってから食べ物を手にとって
にこりと微笑む。
「可愛い…」
そんな声を耳にしながらも教室に戻る途中
手の中にあるおまけでもらったクッキーを
眺めると自然と頬が緩んでしまうのを
何とか押さえる。